2007年8月23日木曜日

薄膜材料デバイス研究会第4回研究集会開催のお知らせ


投稿締切が8/31まで延びましたのでお知らせします。

今年も、秋に「薄膜材料デバイス研究会」の研究集会が開催されます。
有機トランジスタの研究者にとっては、薄膜トランジスタとしてはるかに先行した歴史を持つポリシリコンやアモルファスシリコンの研究者、および、一部アプリケーションでライバルとなる酸化物半導体の研究者ともディスカッションができる点で貴重な機会かと思います。
学生の参加費(立派なバンケット込み!)が安いのもアピールポイントです。
当研究室の院生の皆さんも、ぜひ参加して下さい!

日時:2007年11月2日(金)、3日(土)
場所:京都(龍谷大学大宮学舎) - 重要文化財がキャンパス内にあります
テーマ:「明日の電子デバイスを支える薄膜新材料」
投稿締切:8月31日(電子メール投稿)
参加費:10月9日まで一般\10,000、学生\4,000
 以降は、一般\12,000、学生\5,000
招待講演:
・廣瀬全孝(次世代半導体研究センター) 
 『アモルファス半導体研究-激動の1975-1980年』(仮題)
・宮尾正信(九州大学)
 『シリコン系ヘテロ超構造技術の創出と未来型デバイスの夢(二流研究者の独白
 @企業と大学の狭間で生きて)』(仮題)
・川崎雅司(東北大学) 『酸化物エレクトロニクス』(仮題)
・安達千波矢(九州大学) 『有機発光性薄膜デバイスの新展開』(仮題)

初日午前に、院生を想定したチュートリアルコースも準備しています。
今年は、『酸化物半導体、有機物半導体の徹底理解!』と題して内藤裕義先生(大阪府大)および古田守先生(高知工科大)に、電気電子系の大学院生から理解できる内容をご講義いただきます。

研究会の詳細については、ホームページをご覧ください。

2007年8月19日日曜日

水道哲学

工藤先生も一時期籍を置いていたことのある松下電器産業の創業者(というより教祖?)、松下幸之助さんの有名な逸話です。
松下「伝記」産業と称されるくらい、松下幸之助さんについての伝記は数多く出ているのですが、長命だった幸之助さんも1989年に亡くなられており、今の大学生世代にはすでになじみが薄くなっているかと思いますので、簡単に紹介します。
松下の本来の創業は1918年だそうですが、1932年に創業記念式典なるものを開き、そこで社員に説かれたそうです。

「水道の水は、通行人がこれをいくら飲んでも咎められることはない。それは、量が多く、価格があまりにも安いからだ。松下の使命もここにある。水道の水のごとく、物質を豊富に、かつ廉価に生産提供しなければならない。その結果、貧乏を克服し、人々に幸福をもたらすことができる。」


「人間の世界には、電気冷蔵庫も医療も、水のように必要なものがある。それがもしただに等しいような値段やったら、この世から貧乏というものがなくなる。」

昭和初期のまだ多くの日本人が貧乏だった時代の話ですが、世界的視野では今でもそのまま通用するのではないでしょうか。なにも技術は高付加価値の商品を高く売るためだけに使うものではない、革新的技術によって革新的な低価格で生活に必要なものが作れるようになれば、世界中で広く使ってもらえ大勢を幸せにできる。大量に売れれば会社も幸せになり、従業員も幸せになる、ということですね。

今思うに、有機エレクトロニクスにもこの考えが有効なのではないでしょうか。
革新的に低コストで新たなエレクトロニクスが創出されるのであれば、それは至るところで水道の水のように使われるようになるのではないかと。
幸之助さんなら、どのような商売を思い描いたでしょうね。

MN