2008年6月16日月曜日

たまには漱石先生を思い出して

は、これまでの生涯で何度か夏目漱石にはまった時期があります。
あまりはまりすぎると、神経性胃炎が伝染るので、毎回適当に抜け出すことにしています。

なんで、突然ここに漱石かというと、これまでに先生の文章で文学的に感動した文章は数多くありましたが、「まいったな」と思った文章があったのをふと思い出したので、紹介します。

「事実上諸君は理想をもっておらん。家に在っては父母を軽蔑し、学校に在っては教師を軽蔑し、社会に出でては紳士を軽蔑している。これらを軽蔑し得るのは見識である。しかしこれらを軽蔑し得るためには自己により大なる理想がなくてはならん。自己に何らの理想なくして他を軽蔑するのは堕落である。現代の青年は滔々として日に堕落しつつある」 

「野分」の中で道也先生が書生を相手にぶった演説です。 

なにしろ、100年近く昔の文章なので、ここで叱られている「現代の青年」の皆様は、今の青年の曾爺さんあたりなのですが...
明治も平成も関係なく、どきっとするくだりでしょう?

それだけ、人間社会に普遍的な説教であり、心に留めておくべきことなんだろうと思います。

MN

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