2010年12月25日土曜日

Matteo Tonezzer 氏来訪

共同研究先であるイタリア Università di Trento の院生、Matteo Tonezzer 氏が実験のためアジア地域に来ていることを知り、急遽スケジュールと予算を調整して12/22-24の日程で日本に立ち寄ってもらいました。

今年からちょっとした共同研究を始めており、彼のサンプルを野村君が測定して、その成果の一部は今年のECOSSでも連名で発表しています。
今回は、その結果についてのディスカッションの他、当研究室やG-COEの他研究室の見学などを行いました。

写真は、初めて日本のラーメンを食するの図です。結構気に入ったようです。

22日夜には、ちょうどG-COEグループの院生研究会とその後の忘年会(クリスマスパーティか?)があったので、それにも参加できてちょうど良かったです。

また、せっかくのイタリアからのゲストですから、G-COEならびにCOEスタートアップの共催でセミナーを開き、彼の研究について紹介してもらいました。
右の写真はその一幕です。COE会議室が満員になりました。
彼の研究テーマは、ZnOナノワイヤーと有機半導体薄膜の二本立てなのですが、セミナーではそのうち supersonic molecular-beam deposition (SuMBD) を用いた高品質な有機半導体薄膜の成長について詳細を話してもらいました。

Matteoさん、クリスマスシーズンにもかかわらずスケジュールを調整して来てもらい、ありがとうございました。

MN

2010年12月11日土曜日

学校では教えてくれないルール

皆さんも、ネットなどで見かけたことありませんか?
かのビル・ゲイツが、ハイスクールでの講演で話したと言われる「学校では教えてくれない人生に役立つ11のルール」。

実は、ビル・ゲイツ自身の言葉というより、すでに売られていた本に書かれた言葉を紹介したそうですが、なかなか「味わい深い」ルールばかりです。
読んだこと無い人のために、この際オリジナルに近いであろう英語での記事を紹介します。
人生と英語の勉強を兼ねて、読んでみましょう。


RULE 1
Life is not fair - get used to it.

RULE 2
The world won't care about your self-esteem. The world will expect you to accomplish something BEFORE you feel good about yourself.
(注)self-esteem: 自尊心

RULE 3
You will NOT make 40 thousand dollars a year right out of high school. You won't be a vice president with car phone, until you earn both.
(注)これが書かれた当時は携帯電話が一般的ではなく、お金持ちや重役は自動車電話を使っていました。

RULE 4
If you think your teacher is tough, wait till you get a boss. He doesn't have tenure.
(注)最後の一文のニュアンスは、私にはよく分かりません。「彼らも辛いんだよ」ってとこか?

RULE 5
Flipping burgers is not beneath your dignity. Your grandparents had a different word for burger flipping they called it Opportunity.

RULE 6
If you mess up,it's not your parents' fault, so don't whine about your mistakes, learn from them.
(注)whine about: 〜のことで泣き言を言う

RULE 7
Before you were born, your parents weren't as boring as they are now. They got that way from paying your bills, cleaning your clothes and listening to you talk about how cool you are. So before you save the rain forest from the parasites of your parent's generation, try delousing the closet in your own room.
(注)delouse: しらみを取る・・・だけど、全文で「大きな口を叩く前に、目の前の小さなことを片付けろ」ってニュアンスかと。

RULE 8
Your school may have done away with winners and losers, but life has not. In some schools they have abolished failing grades and they'll give you as many times as you want to get the right answer. This doesn't bear the slightest resemblance to ANYTHING in real life.
(注) bear (a) resemblance to: 〜に似ている

RULE 9
Life is not divided into semesters. You don't get summers off and very few employers are interested in helping you find yourself. Do that on your own time.
(注)summers off: 学校の夏休み(アメリカの大学生は、長い夏休みの間に「自分探し」をする)

RULE 10
Television is NOT real life. In real life people actually have to leave the coffee shop and go to jobs.

RULE 11
Be nice to nerds. Chances are you'll end up working for one.
(注)nerds: いわゆる「おたく」

ネットでは最後のやつが一番有名かも。

どうしても日本語訳が見たい人は例えばここにありますので、後で見て下さい。

MN

2010年11月18日木曜日

「学生も企業もダメにする日本の就活“負のスパイラル”」

おおもとは週間プレイボーイの記事です。
学生も企業もダメにする日本の就活“負のスパイラル”
週プレって、昔から硬派なおもしろい記事も載せますね。

まったくもって同意です。特に理系では深刻ですね。
ふざけた採用方針を採っている企業が自滅するのはかまわないですが、かわいそうなのは巻き込まれている学生たちです。
この社会的制度のせいで、研究者・技術者として低レベルなところからスタートする上に、うわべでは取り繕っていますが、本当のところ自信とやる気を無くした人が量産されています。
特に製造業界はますますボーダーレス化しており、企業としてはすでに競争相手は海外企業ですが、これからは採用される側としても海外の学生や留学生との競争になっていくでしょう。そのときに、日本人学生は使い物にならない(その種をまいたのは企業社会ですが)として、また自分勝手に切り捨てられたらたまったものではないですね。

MN

2010年10月6日水曜日

CEATEC2010関連(2)

富士通が世界初となるDNAを用いた革新的なバイオセンサー技術を開発。
「DNAが水溶液中では負に帯電する特性を利用し、電極に対して交互に正と負の電位をかけることで、DNAを電極に引き寄せたり、離したりする。さらに、DNAの先端に目印としてつけた色素の蛍光が、電極から離れていると明るく、電極に近づくと暗くなる性質を利用することで、DNAの動作を可視化する。」そうです。
ロックイン検出するのかな?

東芝がメガネなしの方式による56インチサイズの製品をデモ
「グラスレス3Dレグザ(REGZA)GL1シリーズ」を12月下旬から発売するそうです。

ロームがフォトニック結晶レーザ半導体を出展,電流駆動で走査可能に
機械的な可動部無しでレーザーが走査できるようになれば、いろいろ応用が期待できそうです。

「指輪型パルスメータ」,村田製作所が展示
光電脈波センサが気になります。どういう仕組みでしょうか?

酸化物で熱電変換素子,富士通研が「体温発電」向けに開発
村田製作所がセラミックス系の熱電変換素子を出展
熱電変換素子の開発も盛んになってきている印象があります。我々も急がねば!

MN

2010年10月2日土曜日

CEATEC2010関連(1)

フレキシブルにシースルー,TDKがパッシブ・マトリクス方式の有機ELパネルを開発
TDKがフレキシブル有機ELパネルとシースルー有機ELパネルを展示するそうです。
画素数が少ないのでテレビ用ではありませんが、これを使った面白いアプリケーションが出てくるといいですね。

有機ELで100型超が可能,三菱電機が384mm角の標準モジュールを発売
三菱電機が得意とする大型ディスプレイ「オーロラビジョン」シリーズの有機EL版を発売するそうです。
小さい有機ELモジュールを沢山並べて必要なサイズのものを組み立てるそうで、これまで大型ディスプレイを設置することが難しかった場所でも中で組み立てられる、ある程度の曲面にも対応できるという利点があるそうです。

「ペンや手袋でも操作可能」,絶縁体で入力できる投影型静電容量方式のタッチ・パネルを日立ディスプレイズが開発
スマートフォンやiPhoneなどでおなじみのタッチパネルですが、感圧式でも静電式でも、手袋をした手では操作が難しかった(オートバイでナビを使うときに苦労しました)のですが、それができるそうです。なぜかはよく分からないので、ぜひ会場で聞いてきて下さい。

MN

2010年9月30日木曜日

CEATEC2010

ことしもCEATECの時期が近づいてきました。
学生の皆さんは、先輩達の話を聞き、業界動向を知るために、是非見に行って下さい。
会期は10 月5 日(火)~ 9 日(土)ですが、5日(火)は特別招待日、9日(土)は無料公開日ですから、6日(水)~ 8日(金)(午前10時~午後5時)がお勧めです。

ここから事前登録すれば、参加無料です。

今後、時間の余裕があれば、見所を紹介します。

MN

2010年9月21日火曜日

たまには、かのエジソン師を思い出して下さい

最近、「ボタンを押せば論文に載せるデータが出てくる」とすら考えているのではないかと疑われる人が増えているように思います。また、予想していたような結果が一回出ただけで満足している人も多いようです。
ここで、誰もが(特に電気電子系に進学した人なら)伝記を読んだであろうトーマス・エジソン師匠の数々の明言の中から、私が気に入っているものを載っけておきます。
皆さんの頭の中で勝手に出来上がっている「エジソンの言葉」とは、ちょっと印象が違うかも知れませんよ。


なぜ成功しない人がいるかというと、それは考える努力をしないからだ。

最初のひらめきが良くなければ、いくら努力してもダメだ。
ただ努力だけという人はエネルギーを無駄にしているにすぎない。

どんな機械でも同じだが、具合が悪くなったときに、無理やり油を注いでも効果はない。
悪くなった油を全部出してしまうのが先だ。

決して時計を見るな。これは若い人に覚えてもらいたいことだ。

完璧だと思っても、もう一押しすれば、おまけが手に入る。

私たちの最大の弱点は諦めることにある。
成功するのに最も確実な方法は、常にもう一回だけ試してみることだ。

自分は毎日18時間働くことにしている。

人間離れした天才だって?
人間離れなどしていない。私はあきらめないことの天才なのだ。



MN

2010年7月19日月曜日

「LED電球」など使用インプレッション

省エネや水銀ゼロなどをうたい文句に、新しい照明デバイスへの期待が高まっています。

どんな照明がどんな使い勝手なのか気になるので、いろいろな「新しい照明」を試していきたいと思っています。特に、最近急に脚光を浴びてきたLED電球は、プライベートで各社の製品を試し始めました。ここに、随時使ってみた感想を書いていきます。

・パナソニック EVERLEDS LDA7L-A1

 光色         電球色相当

 口金         E26

 定格消費電力         6.9W

 全光束         450 lm

 色温度         2800k

 質量         100g

 定格寿命        40,000時間

放射パターンが下半分にかなり偏っているので、多くのLED電球と同じようにダウンライト的な使い方にしか向かないかもしれません。ただ、その配光のおかげで、真下は40W白熱電球と60W白熱電球の間くらいの明るさです。

簡易ガウスメーターで計測すると、電球型蛍光灯と同じかやや弱い程度の漏れ磁界があります。やはり、インバーター内蔵方式は環境電磁ノイズが増えますね。

・オーム電機 ACLEDS LB-LED-D8L

 光色         電球色相当

 口金         E26

 定格消費電力         8W

 全光束         440 lm

 色温度         ?

 質量         104g

 定格寿命        40,000時間

韓国製で、最近ホームセンターなどで安売りしています。現世代のLED電球の中ではかなり放射パターンが広いので、横向きや上向きの照明器具でも使えます。そのぶん、前方の照度は低めで、60W白熱電球の代わりに使うとかなり暗く感じると思います。「電球色」と書いてありますが、日本の蛍光灯の基準だと「昼白色」に近く、色温度が高めです。

この製品の特徴は、ACで直接駆動するための回路的工夫をもつ「AC-LED」(韓国製なのでSeoul Semiconductor製でしょうか?)を使っているので、インバーター回路が無いことです。使用温度範囲が広い、小型化が容易という特徴の他、電磁ノイズも小さいようです。ただし、極めて明確にちらつきます。非インバーター蛍光灯の比ではないくらいちらつきが目立つので、この照明を使って卓球をやると消える魔球になりそうです。燐光材料で白を出せばもう少しちらつきは抑えられるのでしょうけど。

このちらつきで常時使用はきついですが、インバーター回路がないおかげで氷点下でも使えるらしいので、屋外灯にはいいかもしれません。

Lumiotec (有機EL照明デザインサンプル)

 発光部寸法:        125mm(L)×125mm(W)

 重量:         195g

 光源色:        白色相当

 最大輝度:        4,000cd/m2(調光ボリューム最大(100%)時)

 輝度半減時間:        約30,000時間(初期輝度1,000cd/m2時の推定時間)

今度お借りする予定ですので、近いうちに使ってみたいと思います。

・その他

オートバイのメーター照明、ポジションランプ、テール/ブレーキランプをLED化しています。これらは5年以上使っていますがまだ一つも寿命が来ていません。メーター照明およびポジションランプは部品から自作したのですが、LEDの最大使用電流に余裕を持たせた値の定電流ダイオードを入れているので、過負荷がかからないというのも理由かもしれません。ただし問題はひとつあって、一般に入手容易な高輝度白色LEDは青LEDと黄色蛍光体による疑似白色なので演色性が悪いのです。透過型メーターパネルの裏側に入れたところ、そのままでは赤色の文字や指針などが暗くなってしまいました。おかげで、高輝度白色LEDと高輝度赤色LEDをあちこにに複数配置しなければなりませんでした。高演色性の白色LEDがもっと安くなれば良いのですけど。

自家用車の車内照明もオールLED化していました。しかし、カー用品店で売っている安い高輝度白色LED電球は次々と死んでいき、今では高輝度が必要な部分はほぼ全て電球に戻りました。結局従来の電球より寿命が短かったのが残念。低価格LED部品そのものの品質も問題なのでしょうけど、従来の小型電球のサイズに合わせて製品を作るために放熱が厳しいことと、低電流回路を使わず抵抗だけで電流を決めているものも多いので、過電流が流れやすいという問題もあるのかもしれません。こんなのがLEDの実力だと思われると、イメージ的に良くないですね。

MN

2010年6月24日木曜日

パリ訪問

ベルリンに引き続きInternational Conference on Organic Electronics (ICOE) 2010参加のため、パリに来ています。パリは15年ぶりくらいなのですが、さすがにこの町は10年や20年では何処が変わったのかわからないですね。
この会議も5回目なのですが、今回群を抜いて参加人数が多かったそうです。かなりトピックを絞って、しかもヨーロッパ中心の会議なのですが、二百数十名の参加となったそうです。やはり、パリの威力か?
ちなみに、日本からは12名参加したそうです。

22日にはチュートリアルがあって、松原君と星君はそちらから参加していた「はず」ですが、中村は会議本番の23日朝から参加しました。

Stanford大のBao先生他の招待講演につづくオーラルセッションでいきなり発表だったのですが、今回準備不足なわりには壇上ではなんとか口が回りました。
どうも、ドイツ〜フランスと来ているので、ネイティブな英語を耳にしていないためか、頭が英語に切り替わり損ねているのですが、まあ、なんとか間に合ったようです。だいたい、英語漬けになってからフル活動するまでに3日はかかりますから。
午後は、ポスターセッション1で、藤井君の修論の内容を中村が発表。

23日には、午前と午後のオーラルセッションと、その間にポスターセッションがありました。
こちらは、松原君の発表の様子。
たまたま日本人の知り合いが集まっているときの写真しか撮れませんでした。申し訳ない。

こちらは、星君の発表の様子。
ツボを押さえた単語と度胸で、なんとか説明をこなしていました。
この夜は、セーヌ川に浮かぶ船のレストランでバンケットがありました。
右の写真は、その会場に向かう途中で撮ったセーヌ川ですが、このときの時刻は午後8時。
最も日没が遅い時期でもあるので、ベルリンでもパリでも、だいたい午後10時過ぎまで明るいのです。おかげで、平日夜でも、街が「酔っぱらっていない人」でいっぱいです。
日本でも、サマータイムが検討されていますが、それプラス標準時を恒常的に1時間進めてほしいところです。少しは日本の雰囲気も変わるでしょう。


実は、このバンケットの最中に、サッカーワールドカップの日本対デンマーク戦が行われていました。なんと、会場では、それをテレビとプロジェクターで映していましたので、特に日本勢(プラス他国からの援軍何名か)はそれに釘付けで応援。
その甲斐あって、予想以上に日本が快勝!
いろんな国の人からCongratulations!といわれました。
それにしても、ワールドカップのときは、いろいろな国の人とサッカーの話で盛り上がれるのが良いですね。
24日は午前中にオーラルセッション、午後には、Cambridge大のSirringhaus先生の招待講演で締めくくりとなりました。

今回、久々にヨーロッパメインの会議に出席したので、これまであまり話をする機会がなかった方々と知り合うことができました。Institute for the Study of Nanostructured Materials (CNR、イタリア)のDr. Biscarini、共同研究を始めてはいるものの面と向かって話をするのは初めてだったIFN(ここもCNR)のDr. Toccoli、Institut de Microélectronique Electromagnétisme et Photonique (フランス)のDr. Chroboczekなど、沢山お友達が増えたのが大きな収穫です。
前述のBao先生ともあちこちで会うたびにお話するのですが、なぜだか研究以外の話ばっかり...

MN

2010年6月23日水曜日

ベルリン訪問

Humboldt-Universität zu Berlin の Prof. Dr. Norbert Koch を訪問するために、6/20からベルリンを訪問しました。
Humboldt-Universitätでは、6/21にセミナー講演を行った他、Prof. KochグループおよびProf. Rabeグループのメンバーとのディスカッション等を行いましたが、この間ばたばたしていて写真はなし。
両先生以外にも、いろいろお相手をして頂いたList先生、Kowarik先生、Heimel博士にも感謝しております。

翌日、ベルリンを発つまでにしばらく時間があったので、市内を少し観光。
写真は、ベルリンに留学していた森鴎外の記念館です。当時住んでいたアパートの一室を改装して、ゆかりの品や写真、作品などが展示されています。
今回初めて知ったのですが、森鴎外が留学していたのもHumboldt-Universitätだったのです。しかも、千葉大学との間で今年5月から大学間交流協定を結んだのですが、そのときこちらに公式訪問したメンバーの一人、医学部の森千里先生が、まさに森鴎外のご曾孫だそうで....
記念館にも寄られたようで、学長などとともに記念の記名がありました。
(ちなみに、鴎外先生のほうが師事した一人こそ、かの有名なKoch先生。)

MN

2010年5月31日月曜日

ローラブル有機ELディスプレイ

アメリカで開催されたThe SID International Symposium, Seminar and Exhibition (SID) 2010にて、ソニーが曲率半径4mmで巻き取れる有機ELディスプレイのデモを行ったそうです。
もちろん、トランジスタも有機半導体を使っています。



まだまだ、画素の歩留まり向上には課題が多そうですが、こういうのを早く実用化したいですね。

MN

2010年5月6日木曜日

2010年の国際会議

昨年はサーバートラブルのため出遅れましたので、今年は早めに立ち上げます。
今年開催される有機エレクトロニクス関連の国際会議をリストアップします。まだ少ないですが、随時追加します。
時々情報が更新されますので、ご注意下さい。

PD、ドクター学生だけでなく、マスターの人も是非発表を申し込んで参加しましょう!
もちろん発表する人には旅費の補助が出ます。

The 9th International Symposium on Functional π-Electron Systems (F-π-9)
2010/5/23-28 Atlanta, United States
アブストラクト締切:2/1 (終了)
レジストレーション締切:3/1

International Conference on Science and Technology of Synthetic Metals 2010 (ICSM2010)
2010/7/4-9 京都, Japan
アブストラクト締切:2/8 日本時間12:00(終了)
レジストレーション締切:6/4

International Conference on Organic Electronics (ICOE 2010)
2010/6/22-25 Paris, France
アブストラクト締切:2/28(終了)
レジストレーション締切:5/2

The Seventeenth International Workshop on Active-Matrix Flatpanel Displays and Devices (AM-FPD10)
2010/7/5-7 東京, Japan
アブストラクト締切:3/12 (終了)
レジストレーション締切:

The 6th International Symposium on Organic Molecular Electronics (ISOME2010)
2010/6/10-11 千葉, Japan
アブストラクト締切:3/31 (終了)
レジストレーション締切:3/31

2010 International Conference on Solid State Devices and Materials (SSDM 2010)
2010/9/22-24 東京, Japan
アブストラクト締切:5/21 <<締め切り延長!>>
レートニュース締切:7/26
プロシーディングス締切:?(JJAP)

2010 MRS Fall Meeting
2009/11/30-12/2 Boston, USA
アブストラクト締切:6/22

2011 MRS Spring Meeting
2011/4/25-4/29 San Francisco, USA
アブストラクト締切:11/??

2010年3月28日日曜日

Prof. Norbert Koch 来訪

書き込みの順序が前後しましたが、3月21日に、Humboldt-Universität zu Berlin の Prof. Dr. Norbert Koch が物理学会での招待講演のために来日したのに合わせて千葉大に立ち寄られました。Koch先生とは、Princeton大にいたころから、かれこれ10年近いつきあいです。
今回の滞在は、応用物理学会および物理学会にオーバーラップしていましたので、特に学内での行事はありませんでしたが、離日前夜、Koch先生と石井先生と私で、ディナーに出かけました。(写真は海鮮料理を食べるKoch先生)
今年こそ、是非ベルリンに立ち寄ってみたいと思います。

MN

2010年3月23日火曜日

3Dムービー

子供といっしょに3Dの映画を見てきました。
その名もスパイアニマルGフォース!実写+CGのディズニー映画です。
ストーリーについては触れませんが、ここでは3Dについて語ろうかと思います。

今、家電業界でも盛り上がっている3Dですが、そのドライビングフォースの一つがアメリカのコンテンツ産業ですね。アバターを初めとして、3Dを売りにした映画もどんどん増えています。
映画でもテレビでも、平面のスクリーンで立体視させるには右目用と左目用の視差をつけた2つの画像を用意します。
それを片目ずつで見せるやり方について、大きく分けて四種類の方法があるようです。
1.時間で分割する(アクティブシャッター方式)
2.波長で分割する(分光方式)
3.偏光で分割する(偏光フィルター方式)
4.幾何光学的に分割する(視差バリア方式)

1はXpanDで使われている方法で、右目用の画像と左目用の画像を高速で交互に切り替えます。画面とシンクロする仕組みを使って(映画館では赤外線で信号を送っているようです)、メガネに内蔵された回路で左右交互に液晶シャッターを開閉して切り替えます。映画館の設備投資が安く済むというメリットがあるそうです。今発売している3Dテレビも、すべてこの方式だと思います。

2はRealDで使われている方法で、右目用映像と左目用映像を右螺と左螺の円偏光で表示し、円偏光フィルターの付いたメガネで見る方法です。IMAX3Dという方式では、円偏光のかわりに直線偏光で分けているようです。
いずれも、メガネが安いので、使い捨てにしやすいというメリットがあります。

3は最も古典的な青と赤のセロファンを貼ったメガネを使うやつが有名ですが、今はもっと洗練されています。Dolby 3Dがこの方式で、可視光を連続的に使わず、比較的ピーク幅の狭いR、G、Bに分割して色を再現します。さらに、それぞれについて、右目用と左目用の波長を少しずらしておき、精密な干渉フィルターを使ったメガネで、片方の画像しか見えないようにするそうです。色再現性が良いのと、メガネを軽くできるのがメリットです。

4は映画では使われていません。シャープが特殊な用途のために開発したものです。小型ディスプレイ用の方式で、特定の距離で画面を見たときに、右目と左目で見える画素が異なるようになっています。

今日見た映画はDolby 3D方式だったのですが、思ったより顔の角度による影響はなく、見やすかったです。ただし、左右で微妙に色が違うので、それが不自然にならないような絵作りが必要だと思いました。
面白かったのは、このメガネを掛けると、白熱灯とLEDの区別が容易に付くことです。白熱灯のような連続スペクトルだと左右でほぼ同じ色に見えるのですが、LEDのようにスペクトルに特徴があると左右で色がかなり異なります。家庭で使うと気持ち悪いことになりそうですね。
アクティブシャッター方式で言われているような、長時間掛けていると重さが辛いということはなかったです。軽めのサングラス程度の重さでしたから。

では、3D映像に魅力を感じたかというと....
はっきりいって、不要だと感じました。あくまで個人的な感想ですが、見る側に制約を強いるというデメリットを超えるメリットはないと思います。

人間が空間的な広がりを知覚(奥行き知覚というそうです)する過程は結構複雑で、そもそも2次元的なセンサーである網膜で捕らえた画像に対して脳内でいろいろな処理を行うことで遠近を知覚します。
その元になっている情報はこんなにあるそうです:
a)調節−水晶体のピントによる情報。約2m以内の奥行きに用いられる。
b)輻輳−両目の眼球運動による情報。約6メートル以内の奥行きに用いられる。
c)両眼視差−異なる視点から生じる両眼網膜上の差異のこと。
d)大小遠近法−移動による大きさの変化など。
e)線遠近法−絵画のテクニックとして有名。直線が遠方で一点に収束するような絵。
f)大気遠近法−遠くのものが霞むことによるもの。
g)重なり合い−本来の全体像が重なっていることで隠れている物が遠くにあると判断。
h)陰影−下に影があると凸に見え、上に影があると凹に見えるなど。
i)きめの勾配−アスファルトの凹凸など「きめ」の密度が徐々に変化していることを遠近や勾配として知覚。

このうち、d)〜i)は従来の2D映像でも表現可能な情報です。特に映画やテレビでは、カメラを平行にあるいは円周上で移動させることによって、d)やg)を強調して奥行き感を出す方法もよく使われます。また、あえて被写界深度を浅くすることで、擬似的にa)を感じさせるというテクニックも使います。
3D映像ではこれにc)が加わりますが、まだa)やb)の情報は無いですから、特にこちらに飛び出すような映像のときに不自然さが残ります。また、こちらが頭を横に動かしてもあちらは反応してくれないのも不自然です。
より「リアル」に近くなるのに少し妙という感覚が生じるので気持ち悪さを感じる人もいるでしょう。
ヒューマノイドロボットなどでよく言われる「不気味の谷現象」ですね。

MN

追記:
元々自然な映像である必要の無いゲームなら、3Dを活かすソフト次第で魅力が増すと思います。ゲームなら、特に3Dでなくとも画面を正面から注視しますから、改めて姿勢を正して見るわけでもないですし。
ただし、せっかくオールリアルタイムCGの画面を3Dに変換するなら、テレビのような「受動的3D」ではなく、加速度センサ付きのヘッドマウントディスプレイで、頭の動きに画面が追随する「能動的3D」のほうが良いですね。

2010年2月16日火曜日

有機ELテレビ

今朝の新聞で、ソニーが有機ELテレビの国内販売を終了するというニュースが発表されていました。
有機ELテレビ、3月で日本撤退
このヘッドライン、少々センセーショナルに脚色していますね。海外では販売を続け、当然研究開発も続けるようです。
日本での販売を終了する理由として、
「昨年4月施行の有害サイト規制法に基づき、有害サイトの閲覧制限機能のないデジタル家電は今年4月以降出荷できなくなる。有機ELテレビには、その機能を付けていない」
と述べています。

一方で、ついにLGの有機ELテレビ(OLED TV)がアメリカでも販売されるようです。
当面、家電各社ともアメリカで始まった3Dブームに乗って儲けようと必死ですから、それが一段落してから本当の対決が始まるのでしょうね。
当のソニーも、先月のCESで24型3D有機ELディスプレイを展示しています。

それにしても、一般消費者が家庭で3D見るのかな?

MN

2010年2月15日月曜日

将来の夢はありますか?

2月14日の朝日新聞に川上未映子さんのインタビュー記事が掲載されていました。
川上未映子さんってのは、高校はデザイン科で、シンガーとしてプロデビューし、突如として詩を出したかと思うと小説家として芥川賞を取ったマルチな人です。それに飽きたらず、最近キネマ旬報新人女優賞も受賞しています。
記事のテーマを端的に表す彼女の語りを二カ所引用させてもらいます。
「子供のころから今まで、こういう人になりたいとか、何になりたいとか、まったくなかったです」
「(前略)自分が特別でもなんでもない、ただの労働力としての存在にすぎないということを知らされます。そこから、自分ができることはなにか、ということが立ち上がってくるのではないでしょうか」

まったくもって同感なので、さらには、ちょうど修士院生の人たちが就職活動をしている最中でもあるので、自分の過去を晒しながら「将来」なんてものは結構そんなもんだということを書いて見ようと思いました。このブログでは自分自身のことはなるべく書かないようにしているんですけど、今回は例外。

いきなり結論めいた文から入りますが、どうも幼少時まで遡ってみると、私もずっと「おくりだすひと」になりたかったらしい。
でも、川上さんとは才能の居場所が(量も?)違ったようで...まあ、紆余曲折をほとんど全部書いてみます。

そろそろ色気づいてくる小学校の高学年ごろ、やや大人向けの小説などに興味を持ち出すと同時に、友人に影響されて、SF系ではありますが短編小説やショートショートを書くのにハマりました。ごく短期間マンガも書いてみたけど、これは、自分には壊滅的に絵心が無いことを思い知らされただけですぐ退散しました。小説のほうも、小ネタは良いのですが、残念ながら長文になると書いている最中に飽きるので断念。
どうやらこのころから、何かに興味を持つと、すぐさま「うけとるひと」ではなく「おくりだすひと」になりたがる習性が始まったようではあります。
中学校のころ、当時流行った電子工作やらBCL(30代以下の人は知らないでしょ?)やらラジコンカーやらにも手を出しましたが、ちょうどロックやポップスにハマる頃でもあり、ギターを持って歌い始めました。友人と一緒にフォークだかロックだか判らない怪しいバンドを始め、文化祭でステージに立ったり、コンテストなんかにも出たりしてみたんですが、その結果、どうやらボーカルの素質が無いと思うに至り、これもいったん終了しました。
何の変哲もない公立進学校に漫然と行っていた高校生のころ、電子音楽にハマってシンセサイザーをいじってみたり、自転車にちょびっとだけハマって山の上の高校までの最短タイムを出すべく連日もがいて、ぐったりした挙げ句一時間目を棒に振ったりしていましたが、このときに一番ハマったのはコンピューターのプログラミングでした。ちょうど、貧相ながらグラフィックが扱えるPCが出だしたころで、コンピューターショップに入り浸りでゲームのプログラムを書いたり、某PC雑誌のコンテストに応募したりしていました。このとき磨いた腕は、大学に入ってから勤務時間の自由がきくアルバイトとして活かされたので、数少ない短期的な実益が伴った努力でした。
将来ソニーに入ろうと思って数学も物理も嫌いなのに電子系に進んだ大学学部時代、再び音楽に振り子が振れて、友人とバンドを組みキーボーディストのまねごとをしたりしました。ご心配なく。ボーカルの素質皆無なのはすでに悟っているので、歌いませんでしたよ。その友人ってのが結構才能のあるやつでオリジナル曲を次々生み出すので、それらをひっさげてライブをやったり、コンテストやオーディション、果てはラジオの公開番組で演奏するなんて、今考えると恥ずかしいことを体験させてもらいました。でも、うまいヤツ、才能のあるヤツが掃いて捨てるほどいるんですよ、あの世界には。
同時期に、オートバイが第一番目の趣味の地位を占めるに至ったのですが、これだけは未だに趣味として続いています。修理や改造するのも、速さを追求して乗るのも、ノンビリ旅をするのも、何をしても楽しかったですね。もちろん、オートバイが夜でもいじれるように、下宿は広い玄関のあるボロ屋を選びました。このころから一番好きなことは仕事に絡めないと決めていたので、就職を考えるときもオートバイメーカーや自動車メーカーは除外しました。
さて、いよいよ大学四年生になって、進学せずに就職しようかと考えていた(実際、某楽器メーカーの入社試験も受けた)のですが、卒研を始めたとたんに研究にハマってしまいました。「こんなところに自分のやりたいことがあった!」って思ったのです。何しろ、誰も知らなかったことを明らかにしたり、誰もなし得なかったものを実現したりできるのですから。しかも、その結果を世界に向けて発信したり、みんな(といっても大抵は同業者ですが)の前で発表できるのですから、これも「おくりだすひと」です。
あわてて最低限の専門科目を勉強し直して院試を受け進学し、寝る間も削って(でも食事とデートの時間は削らずに)研究に没頭しました。修士二年間の成果は、筆頭こそ1本ですが論文3本になりました。ところが、修士二年になってなぜだか分析技術者になりたいと思い、化学系メーカーの受託分析部門に就職しました。なぜだかってのは乱暴ですね。ちゃんとあちこちの会社見学に行って、いろんな人の話を聞いた上で考えた結論です。分析屋ってのは研究開発の舞台では裏方ですが、いろんな会社の研究開発担当の人たちと面白い仕事ができる上に、最先端の分析機器を使いこなしますから、その範囲で好きな研究をしてその分野の第一人者として世間に対して発信もしやすいのです。
ただ、如何せん、そういうところに長年いて年を取ってくると、どうしても売上げ管理が仕事に占める比重が高まってきます。「かねをかぞえるひと」になってくるのです。
そこで30代半ばに方針変更した結果、現在に至るというわけです。
大学所属の研究者ってのが予想以上に「かねをあつめるひと」だったのには面くらいましたが...

ここまで書いて、頭の中であれやこれやと勝手に思うのはいかに簡単で、それを人に読んでもらえる文章にするってのがいかに難しいかを改めて実感しました。よくエッセイをあちこちに書いている学者やミュージシャンがいますが、人に読ませる、さらには金を払ってまで読もうと思ってもらえる文章を作るってのは本当特殊な才能が必要なんだと思います。そっちを仕事に選ばなくってよかった...

もしあなたが「自分は何者か」とか「将来何になりたいか」を問われて困っているなら、まずは目の前にあるあれやこれやを片っ端から一所懸命やってみて下さい。あなたが何者かは、世間が決めてくれるはずです。

MN

2010年1月27日水曜日

ESPMI-Ⅴ 開催中


今、千葉大内で、The 5th edition of the international workshop on Electronic Structure and Processes at Molecular-Based Interfaces (ESPMI-Ⅴ)という国際ワークショップが開催されています。
名前のとおり、有機材料の特に界面における電子物性をメインテーマとする国際ワークショップで、今回はこのワークショップのキーマンであった今は亡き関先生(元名古屋大学教授)に追悼を捧げる会でもあります。中村も、20代後半に有機材料を触り始めたころから関先生にはいろいろアドバイスして頂いていたので、今回チェアマンを仰せつかり光栄でした。
当研究室からも何人か参加していますが、かなりハイレベルな話が続いていますので、院生の人はつらいでしょうか?食らい付いてでも今先端で何が議論されているかを学んで欲しいと思います。

MN