2011年4月19日火曜日

高校数学でわかる半導体の原理

ふと気が向いて、「高校数学でわかる半導体の原理」(講談社ブルーバックス、竹内 淳 著)なる本を読んでみました。
タイトルを見て「高校生に解るように書くと、その手の本によくあるように解ったような解らないような中途半端な説明にしかならんだろ?」と思いつつ読み始めたのですが....
とんでもない!
電気電子系の大学学部レベルで習う半導体に関するエッセンスは、ほとんどすべて詰まっています。しかも、説明が解りやすい。

大学で半導体を習ったことがない人だけでなく、すでに専門科目の初級レベルをクリアした人にも一度読んでみることをお勧めします。何カ所かは、「ああ、あれはそういうことだったのか」という再発見があるかもしれませんよ。

通販でも買えますので、リンクを張っておきます。
講談社
Amazon
紀伊國屋書店

来月の「実験実習」でも、参考書として使おうかと考えています。

MN

2011年4月17日日曜日

「LED電球」など使用インプレッション(その2)

昨年7月の「LED電球」など使用インプレッションの続きです。
その後身銭を切って試したものについて、感想などを書いてみます。

・三菱電機オスラム ハロゲンエナジーセーバー JD100V45W/P/L

 光色 電球色
 口金 E26
 定格消費電力 45W
 全光束 810 lm
 色温度 ?
 質量 29g
 定格寿命 2,000時間

これは変わり種で、自動車のヘッドライトなどでよく使われているハロゲンランプを白熱電球の規格・サイズに納めたものです。電球の殻の中に普通のハロゲン球が入っています。基本的には白熱電球の一種ですから、重さや温度や調光機能などの制約のために普通の白熱電球しか使えなかった場所で、すこしだけ「エコ化」ができます。
同じ明るさだと、20〜25%の節電と2倍程度の寿命が見込まれます。
使ってみると、電球の軸上にやや暗い場所ができることを除けば、色も明るさも60Wの白熱電球と全く遜色ありません。これの33Wタイプのものでも485lmありますから、これまで60W白熱電球を使っていたところに、多少暗くなることをガマンして33Wタイプのものを使うのもありかと思います。
オスラムって自動車用ライトでは有名なドイツの会社ですが、これを見ているとメルセデスがディーゼルエンジンでの低燃費化にこだわっていたのを思い出しました。


・オーム電機 TELAS LB-L60T-L (6.0 W、「電球色相当」)
※中国製で輸入元はオーム電機ですが、同社のサイトには載っていません。
 検索しても通販サイトしか出ないので、リンクは遠慮させて頂きます。

 光色 電球色相当
 口金 E26
 定格消費電力 6W
 全光束 330 lm
 色温度 ?
 質量 90g
 定格寿命 55,000時間

この製品の売りは、チラツキの無いインバーター電源を使用しつつも、弱点であった電解コンデンサを使っていないところです。インバーター電源の寿命は電解コンデンサがネックとなっている場合が多いようですが、これを使わないことで寿命が長くなることに加えて、温度上昇に対して強くなるため、密閉型の器具でも安心して使えるようになります。寿命の長さには、LEDが日本製であることも有利に働いているのかもしれません。
放射パターンは、まあまあ広いほうです。あと、値段が安いことも魅力です。
漏れ磁界はやはりありますが、以前計測したパナソニック EVERLEDS LDA7L-A1よりやや小さいようです。
難があるとすれば、この「電球色相当」が相当に黄色いことでしょうか。部屋中の照明をすべてこれにすると、明らかに黄色みが強く感じると思います。
なかなか、パーフェクトな製品は出てきませんね。

なんにしろ、安いLED電球が普及して白熱電球に置き換わっていくことで、消費電力が減るのは良いことです。
特に、東京電力、東北電力管内は、しばらく節電しなければなりませんし。

MN

2011年4月10日日曜日

Green Device Science Lab. のウェブページができました

研究室正式発足は5月ですが、4月からグリーンフォトニクス研究プロジェクトが始まり、松原助教も赴任しましたので、先に研究室のウェブページを立ち上げました。
なにしろ忙しい中で急ごしらえですので、実のところ前所属である千葉大学・分子機能デバイス分野のウェブページとそっくりです。
たぶん、急ごしらえでなくっても、同じ人間が乏しいHTMLの知識で作っているので、こんなもんでしょう。お許し下さい。
追々、内容とデザインを充実させてゆくつもりです。

MN

2011年4月4日月曜日

電力東西貿易

2月13日の投稿で東京一極集中の弊害を控えめに主張したところですが、偶然にもその1ヶ月後の東日本大震災の影響で関東の電力供給がピンチです。4、5月はなんとか持ちこたえるでしょうけど、この夏の電力ピークはどう慌てても交代での停電が避けられそうにないです。
すでにあちこちで報道されているように周波数問題があるので、中部電力や関西電力からは微々たる量しか融通できません。周波数変換設備を増設しようにも、巨大な光トリガサイリスタを急には増産できません。(そもそも工場が被災しているらしい。)
この問題に限らず、日本では電源開発予算の大部分を原子力につぎ込んできたおかげで、ヨーロッパ各国(フランスを除く)と比較して自然エネルギーの利用率が低いままです。これも将来的になんとかすべきでしょう。

そこで提言。
巨額の原子力予算を、原発の後片付けのための予算を残して削減し、それを自然エネルギーの研究・開発と普及のために使いましょう!(当研究室でも太陽電池の研究を前倒しで再開しようと考えています。)
今すぐできることとして、太陽電池パネルを増産(特に西日本)して国の予算で買い上げて、東日本の事業所や一般家庭に次々と設置していきましょう!
太陽電池は発電方式としては安定性に欠けますが、最も電力が必要な夏の昼間に最も電力を供給できます。これによって、数年は続くと予想される東京電力の夏の電力不足が少しでも解消します。
太陽電池は一般にエネルギーペイバックタイムが長いのが省エネ的には難点ですが、西日本で作って東日本に設置すれば周波数変換設備で西から東に電力を送るより効率的にエネルギーを「輸出」できます。

もちろん、これを機会に東京一極集中を緩和してゆくことも必要ですね。

MN