2012年12月7日金曜日

本が出ました!

この春からグリーンフォトニクスプロジェクトで準備を進めていた「ひかりエネルギー革命 ~グリーンフォトニクス~」がついに出版されました!

物質創成科学研究科の総力を挙げてつくった本です。
単なるPR本にはしないよう、学部上級生~大学院生のための教養本になるよう努力したつもりです。

ぜひご一読を。

アマゾンでも購入できます。
私の手元にも、在庫が積み上がる予定ですが....

2012年12月5日水曜日

MOST INNOVATIVE ORGANIZATIONS

Thomson Reuters が、2012年の THE WORLD’S TOP 100 MOST INNOVATIVE ORGANIZATIONS を発表していました。
例によって、日本の企業(組織)を拾い出してみます。(アルファベット順)


Brother Industries
Canon
Denso Corporation
FANUC
FUJIFILM
Fujitsu
Hitachi
Honda Motor Company
Jatco
Mitsubishi Electric
Mitsubishi Heavy Industries
NEC
Nippon Steel & Sumitomo Metal
Nitto Denko
NTT
Olympus
Panasonic
Ricoh
Seiko Epson
Sharp
Shin-Etsu Chemical
Sony
TDK
Toshiba
Toyota Motor Corporation

25社もありますね。まだまだ、日本の製造業も健在です。
ひとつ残念なのは、他国ではランクインしている公的研究所が日本からは入っていないことです。
民間企業の研究開発投資が冷え込む中、事業化に近いところまで主導する研究所が出てきてもよいのではないでしょうか?

2012年11月28日水曜日

Foxconn

シャープに出資するや否やという話題で鴻海精密工業の名前を目にする機会も増えましたが、ここを筆頭とするフォックスコン・テクノロジー・グループ(鴻海科技集團)は、世界最大のEMSグループとして有名です。
アップルの製品も多くがこのグループの工場で作られています。
その工場の多くは台湾ではなく中華人民共和国本土にあるのですが、中でも深セン市にある富士康科技集団の工場は、その大きさが時折話題にあがります。
どれくらい広いのか、Googleで見てみましょう。

まず、大きさの実感のために、私がかつて働いていたことがある東レ滋賀事業場を見てみます。















赤枠で囲ったのが、事業場のおよその範囲(寮・社宅エリアを除く)ですが、どれくらいの広さか判りますでしょうか?
赤枠の右のほうにある黄土色の部分は、サッカーができるくらいのグラウンドです。大規模な工場は他の事業所や外国にあるので、ここにはあまり巨大な建物はないですが、それでも様々な機能を持った本部的な事業所ですから、かなり広いと思います。右上にあるJRの駅から、赤枠の左下のほうにある研究所エリアまで、歩くとだいたい20分くらいだったと思います。

ここでも十分だだっ広いと思っていたのですが....
















これがほぼ同じスケールにした「富士康科技集団鴻富錦保税工廠」の航空写真です。
上下にはみ出てますがな。
間違いなく、場内移動は徒歩不可です。
こんなのが中国本土内に20箇所近くあるそうで....

いまや、コンシューマーエレクトロニクスは、こういう規模で作る時代になってしまったのですね。

2012年10月26日金曜日

2012秋 SPring-8実験

10月18日から20日にかけて、松原助教率いる総勢6名の部隊が実験のためにSPring-8に行ってきました。

おなじみBL46に向かうところです。
ストレージリングの大きさが実感できます。


エンドステーションに設置されたHuber社製のゴニオメータ他、です。ラボ機とはスケールが違いますから、初めて行くとどこまでがゴニオメータかが判りません。
サンプルはここ。

ビームアライメントから測定まで、ほとんどをここのコンソールで行います。素粒子実験ほどではないにしても、専任の技術者・研究者の人達がいないとシステムの把握は無理です。









さて、これで論文2つくらい出ますか?  −>松原助教

2012年10月8日月曜日

祝!山中先生ノーベル医学生理学賞受賞

いつ来てもおかしくないと言われていましたが、京都大iPS細胞研究所長の山中伸弥先生がノーベル医学生理学賞を受賞されました。

山中先生のすばらしい研究成果の土台は奈良先端大教員時代に形成されたとのことですから、現在奈良先端大に勤めている者としても喜ばしいです。

恥ずかしながら受賞騒ぎで始めて知ったのですが、山中先生、子供時代にはご近所の学園前エリアに住まれていたとのことで、どうやらうちの息子が今通っている小学校の卒業生らしい(息子の曖昧な記憶と、ネット検索で探した複数のツイッター&ブログ情報なので、真偽が分かり次第更新します)です。

先輩、本当におめでとうございます!

P.S.
小学校情報、間違っていませんでした。
今日は、テレビなどの取材が沢山入ったそうです。

2012年10月5日金曜日

出来すぎた話

今日は、SPring-8関連の次世代有機エレクトロニクスと放射光利用研究会」で講演のため、東京は神楽坂方面に出かけました。
行きの新幹線車中で、いつものごとく最近出張用に買っておいた「重くない本」(大阪国?ご参照下さい)を読んでいると、あるシーンで神楽坂が出てきました。

以前から、プライベートで旅行するときや、仕事の出張でも初めての街に行くときには、その街が舞台になった小説を買って、それを読みながら移動することを楽しみにしています。街の風景が違って見えますよ。やったことが無い人にはぜひお勧めします。

でも、今回は、年中行事と言ってよい東京行きなので、そんなことはまったく考えておらず、適当に選んで買ったまましばらく読まずにおいてあった文庫本をたまたま持ってきただけでした。

その本とは、東野圭吾の「聖女の救済」です。
そう、テレビで放送されたガリレオの原作シリーズの一作です。

「これは運が良いぞ」とにんまりしながら読み進めると.....えっ?

なんと、小説の中でSPring-8が重要な役割を果たしているじゃないですか。
やっぱり、今日は運が良いかも?
ここのところの激務で朝からローだった気分がだいぶん良くなってきました。

さて、読み進んでいると、こんな一文が....
いつの間にかiPodに入れた福山雅治のアルバムが終わっていて...
刑事の内海薫が聞き込みのために電車で移動しているシーンです。

え???
このあたりを読んでいるときに、私のiPodから流れていたのも福山さんです。

なんだか、出来すぎの一日でした。

2012年10月1日月曜日

なお、このテープは自動的に消滅する

「...なお、このテープは自動的に消滅する。

この台詞に「おおっ」と思ったら、あなたはおそらく40代以上ですね。
そう、元祖"Mission: Impossible"(邦題「スパイ大作戦」)の有名なフレーズです。(私は、もちろん再放送か、再々放送で見た組です。さすがに。もっと若い人なら、トム クルーズ主演でリメークされた映画のほうなら記憶にあるでしょうか?)

原作では、"This tape will self-destruct in five  seconds."と言っているらしいです。
テープレコーダー、しかも、オープンリールテープのレコーダーから今回のミッションが流れてきます。その最後にこの台詞が出たとたん、テープから煙りが出て破壊されるのです。

なんで、こんなことを思い出したのかというと、最近のScienceの記事を見たからです。

A Physically Transient Form of Silicon Electronics

ちょっとアブストを訳してみます。

現代のシリコン・エレクトロニクスの特筆すべき点は、現実的な用途において無期限ともいえる期間、物理的に不変であるという能力である。この性質が現在の集積回路の品質を折り紙付きにしているのだが、それとは逆の性質をもったシステム、例えば医学的に必要な期間は機能するが、その後、身体への再吸収によって完全に消えるような埋め込みデバイス、にもチャンスがあるかもしれない。本論文では、そのような短期消滅的性質を持つ新しいシリコンベースCMOS技術のための材料群、作製スキーム、デバイス構成、および、理論的設計ツールを、それらを用いて作られる集積センサ、アクチュエータ、電源、そして無線制御技術とともに報告する。プログラム可能な殺菌剤として働く埋め込み可能な短期消滅デバイスなどが、システムレベルでの応用例である。

これは盲点でした。
確かに、生体に吸収させるなら、有機材料ベースのデバイスより慎重に無害なものを選んだ無機材料ベースのもののほうが容易かもしれません。でも、有機材料ならではのアプリケーションもないわけではないぞ...っと。秘密の構想)

2012年8月26日日曜日

晴れ舞台

今日は、松原助教の結婚式と披露宴が、新横浜で行われました。
ここで速報をお知らせします。


入場は紋付き袴と色打ち掛け。
あんなに照れくさそうな松原君は初めて見ました。

最近ダイエットしていたからか、いつもより精悍に見えますね。


オーソドックスだけど手作り感もある、あたたかい披露宴でした。


今時っぽかったのは、ビールサービスでしょうか。
これは、体力と体格がないと、なかなかつらいと思います。
他にも日本酒の鏡割りもあって、お酒が豊富だったのですが、さすがに披露宴でべろべろになる人はいなかったようです。


なにはともあれ、おめでとうございます!
安らぎのある家庭を築いて下さい。

2012年8月17日金曜日

奈良の風景(夏の夜)

この夏の奈良の夜景を2つ紹介します。


まず、8/5〜14に開催されたなら燈花会の光景です。
この写真は、猿沢池から興福寺五重塔を望む風景。このイベントの写真でよく使われる場所です。
見えている灯りはほぼ全て蝋燭です。かなり広いエリアで合計2万本もの蝋燭が使われるそうです。
お盆だけは、CO2排出量削減は忘れることにしましょう。
今年初めて行きましたが、奈良公園付近はすごい人出で、こんなに混みあった奈良旧市街は初めて見ました。


こちらは、8/15に行われた大文字の送り火です。
あまり知られていませんが、京都だけでなく奈良にも大文字焼きがあるのです。
京都の有名な五山の送り火とは比べるまでもなく、まだ 50年強の歴史だそうですが、やはりお盆の送り火というのは感慨深いですね。
この写真は平城宮跡で撮ったもので、送り火のある高円山からはやや遠いですが朱雀門とのコンビネーションが、いかにも奈良って感じです。
この送り火は、奈良先端大近くの真弓あたりのならやま大通り(ハーベスのあるあたり)からも見えます。

ちなみに、どちらの写真も、いまや絶滅寸前の「ガラケー」であるシャープ940SHで撮影しています。
代々、シャープ製のいわゆる「カメラケータイ」を愛用してきたのですが、いまや「スマホ」に押されて、こういうマニアックな機種はなくなってきました。
iPhoneのカメラは誰がどんなシチュエーションで撮っても、ブログやツイッター用としてはすごく上等な写真が撮れますが、この手のカメラケータイを使いこなした時の性能にはいまひとつ及びません。もちろん、ハイエンドのコンデジやデジタル一眼を使えばはるかに綺麗な写真が撮れるわけで、ケイタイで撮ったとは思えない凝った写真をケイタイで撮ろうなんて要望こそニッチなのですが、こういうニッチな要望に応える製品を出すことこそシャープさんの真骨頂だと思っていました。
選択と集中という経済的流行り言葉に従ったあげく、最近はどうも調子が良くないようで残念です。

2012年8月7日火曜日

2012年秋応物学会発表

2012年 秋季 第73回応用物理学会学術講演会での、当研究室関連の発表一覧です。

・9月11日 H4 35.1 シンポジウム「ソフトマテリアル・機能材料の最新動向」
中村雅一:
 "有機電子材料の熱電特性とエナジーハーベスティングへの応用可能性", 第73回応用物理学会学術講演会(松山), p.2 (2012.9.11) 11a-H4-2. 

・9月11日 PB1 12.11 特定テーマ「有機太陽電池」
関東詩織,岡本樹宜,高木英行,増田将太郎,松原亮介,中村雅一:
 "半透明有機太陽電池のための電極界面への化学的ドーピング量の最適化", 第73回応用物理学会学術講演会(松山), p.12-361 (2012.9.11) 11p-PB1-13.

・9月14日 H4 12.3 電子機能材料・デバイス
李世光,吉岡勇多,松末俊夫,松原亮介,酒井正俊,工藤一浩,中村雅一:
"OFET構造を利用したTHz波センサの基礎検討: ペンタセンFET中に誘起された キャリアによるTHz帯吸収", 第73回応用物理学会学術講演会(松山), p.12-089 (2012.9.14) 14a-H4-3.

・9月14日 H3 12.1 作製技術
酒井正俊,井上敦夫,岡本樹宜,山崎陽太,山内 博,国吉繁一,中村雅一,工藤一浩:
"熱プレス法による2次元閉じ込め下の極薄結晶成長", 第73回応用物理学会学術講演会(松山), p.12-043 (2012.9.14) 14p-H3-1.

松原亮介,落合慧紀,中村雅一:
"マイカ劈開面上に成長したペンタセン薄膜の結晶構造", 第73回応用物理学会学術講演会(松山), p.12-037 (2012.9.14) 14a-H3-6.

2012年8月2日木曜日

祝!第3位


先月、2週末にわたって開催された物質創成科学研究科ソフトボール大会にて、当研究室メンバーによる「Team G.D.」が見事3位になりました。結果的に負けこそしましたが、有機エレクトロニクス対決となった準決勝では、5点差からの1イニング10得点による逆転、爽快でした。

猛暑の中、おつかれさまでした!

それにしても、K君。実は体力あるじゃん?

2012年7月26日木曜日

透明有機太陽電池

TechOnの記事が多くて恐縮ですが、日本語で概要が見易いのでご容赦下さい。
(初めて見る方は、無料の会員登録が必要かと思います。)

「ガラス窓で発電」に前進、米UCLAが光透過率7割弱で変換効率4%の透明太陽電池を開発


このタイトルとUCLAというだけで判る人にはピンと来ますが、Yang Yang先生です。
可視域がほぼ透明(波長550nmで透過率66%)であるにも関わらず、太陽光での光電変換効率が4%も出るそうです。 太陽光のエネルギーの半分近くは赤外領域にありますから、これを効率的に変換することで、可視光を使わずにこれだけの効率が出るのでしょう。

なお、論文はこちらです。
Visibly Transparent Polymer Solar Cells Produced by Solution Processing
ACS Nano, Article ASAP, DOI: 10.1021/nn3029327


なるべく「透明」な有機太陽電池は我々も研究しています。
有機太陽電池は、シリコン系とは違う用途で進化してゆくのではないでしょうか?

2012年6月17日日曜日

住宅はどこまで進化できるか?

私事ですが、家族共々新居に引っ越して約二週間が経過しました。
今度の家は、いろいろ個人的な実験も兼ねています。テーマは、21世紀の文明的な暮らしを、いかに持続・発展させるかです。

まず、高気密・高断熱・熱交換換気で、どこまで効果的に冷暖房できるかを課題としてます。
前任地で家族と住んでいた家と比べると格段に保温性能が上がっているので、最高気温30℃くらいまでで湿度さえ高くなければ、朝まで極軽く1階を冷房しておくだけでその日の夜までエアコンを切っておいても十分快適です。
夏と冬の調湿をいかに効果的にするかを、今後いろいろ試したいと思います。
経験的に、冬の加湿は室内に確保した洗濯物干し場でかなり補えるはずです。

冷暖房も含めて、電気をフル活用しつつ、いかに電力消費のセーブとピークカットに貢献できるかが、最大の課題です。
冷暖房は高気密・高断熱・熱交換換気で効率を上げるとして、照明は今回これでもかというくらいLEDと蛍光灯化しました。今のところ両者の効率に大きな差は無いので、適材適所で両方使っています。
エントランスまわりはは基本的に全てLEDです。人感センサも活用して、人がいるときだけ十分な明るさになるようにしています。庭のLED照明は、太陽電池で自立しています。
屋内も、半分くらいはLED、残りもほぼ蛍光灯です。まだ以前から使っている照明器具の一部に電球の常夜灯などが残っていますが、近いうちに白熱電球は完全に駆逐するつもりです。また、消し忘れが出やすいところは、なるべく人感センサを付けています。

常夜灯の代わりになるレベルの蓄光材料が欲しいですね。


関西圏では、年間電力消費のピークは夏の昼間です。このピークカットに貢献するのは、なんといっても太陽電池です。
いまのところ晴天時の正午前後は5kW近く発電していますが、薄曇りでまったく青空が見えない日でもお昼前後ならなんとか2kWくらいは発電しています。日中はなるべく電力を消費しないようになっているので、この大部分は周辺地域に提供されているはずです。
電力網は、まだスマートグリッド化されていないはずです。太陽光発電の普及とともに送電のスマートグリッド化が進めば、日中に住宅地から商業地へまとまった量の電力が供給できるようになるのではないでしょうか。
日射量の変動による発電量の短周期変動は、メガソーラーのような集中太陽光発電では大きな問題になるでしょうけど、各戸での分散太陽光発電なら変動がかなり平滑化されるでしょう。時間スケールの変動なら火力発電所や水力発電所の制御でなんとかなるはずです。

この2週間は、曇りの日が多かった上にエアコン除湿も結構使ったのですが、それでもこの期間の収支を見ると、消費電力量よりは自前で発電した電力量のほうが多くなりました。引っ越し前の5月後半は晴天が多かったので、その時期に普通に生活していたとしたら、その期間の発電量/消費量は200%程度になっていたはずです。
ちなみに、これでもお湯は電気で作っています。それも太陽熱でやるという手がありますが、太陽電池と場所を取り合いますから...
もったいないなと思うのは、お湯を作るためのヒートポンプと冷房/除湿のためのヒートポンプが独立していることです。これもスマートに連携できれば、夜間限定ですが部屋を冷やすために奪った熱でお湯を作れるのですけど、効率的に連携できる時期が限られるので難しいでしょうか?

このヒートポンプ類がくせ者で、首都圏の狭小住宅密集地で大型のものを使うと、近隣への騒音が問題になります。効率の点からは、電気による熱輸送の最適解なのでしょうけど、それが使えない場合のために、ペルチェ素子が格段に高効率になると良いのですが...

窓ガラスには熱線反射フィルムが貼られていますが、同じように可視光透明だけれども紫外光と赤外光によって発電するフィルムがあれば、窓の多い建物ではそこそこの発電量が得られるのではないでしょうか。断熱性が犠牲になる可能性が高いので、総合的にどちらがエネルギー収支に貢献するかが課題です。
排熱を使った発電も、同じく断熱性との相反が問題になるでしょう。エネルギー問題の解決は一筋縄ではいきませんね。

なお、昨年関東で輪番停電を体験して懲りたので、ノートPCだけでなくデスクスタンドも停電時4時間くらいはバッテリー動作するようにしています。もちろん、太陽電池の自立運転で、日中1部屋だけならそこそこ電気を使って生活ができるようになっています。断熱エリア外の部屋もあるので、そこでキャンプ用コンロを使えば、数時間の停電がお昼時に来てもなんとかなるかと思います。
でも、実験室が止まるのが痛いですね。

2012年5月30日水曜日

受験生の人への情報


当、物質創成科学研究科では、今年度の前期課程受験からTOEIC(その他点数が換算できるテスト)のスコア提出が必須になっています。ときおり質問があるようですので、ここを見に来たTOEIC未受験の前期課程受験者のために、現時点でわかる情報を掲載します。

第1回入試には、これからTOEIC公開テストを受験してもスコア提出は間に合わないそうです。

第2回入試には、7月22日試験日のTOEIC公開テストを受験すれば「受験当日に」スコア提出が可能らしいとのことです。
このテストの申込は、6月12日12:00まで(インターネット申込み)です。詳細は下記TOEIC Webページをご覧ください。

2012年4月19日木曜日

フレキシブル・エレクトロニクスの勝負は?

日本のメーカーはフレキシブル・エレクトロニクスで勝てるか
日経BP社のウェブサイトであるTechOnの、今月6日のEditor's Noteです。
ユーザー登録すれば誰でも読めますから、新M1の皆さんもぜひ登録して読んでみて下さい。産業技術のトレンドを知るには良いサイトです。
(ただし、サイエンスや先端技術は、また違うところで学んで下さい。)

2000年代、国内産業界における、フレキシブル・エレクトロニクスへの期待感と意欲の盛り上がりを知る者の一人として、国内メーカーの及び腰はずっと残念に思っています。
国内製造業界では、複数の企業が、いずれも横並びで商品カタログを充実させるべく全ての分野に手をだして、研究開発力が分散しているということが、昔から指摘されています。高度成長期の「いけいけどんどん」の時代はそれでしのげたのかもしれませんが、その後景気が悪くなってくると、これまた全ての企業が短期的な不採算事業を削って短期的な利益を求め、その結果長期的な衰退を招くという、横並びで滅んでゆく構図が出来上がっています。
ある事業が瀕死の重症になるまで対症療法を続け、死ぬ間際になってようやく業界内で1社に集約して分離しますが、時すでに遅しの場合が多いです。

特定産業セグメントに複数の大企業があるというのは日本の強みでもあるので、それならそれで事業集約するときにA社がこれをやめたのならB社は逆に勝負に出てみる、という傾向が進めば、それぞれの企業が独自のカラーを持って、得意分野で世界と勝負するという構図になってゆくと思います。
最近、その傾向は少し見えてきているようですので、これからどの企業が何で世界一を目指すのか、楽しみにしようと(希望的に)思っています。

2012年3月14日水曜日

Ateneo de Manila University からインターンシップ

現在、フィリピン Ateneo de Manila University から、Philipp M. Gotico君がインターンシップのために当研究室に滞在しています。
化学と材料科学を専攻した人ですが、ぜひデバイス系の研究室を体験してみたいということで当研究室を希望したそうです。
2週間弱という短い期間で、しかも学会と就活で学生の人達が忙しい時期だったのですが、満足してもらえたでしょうか。

この写真は、彼が当研究室で作成したOTFTの特性を測っているところです。
体験コースなので、スゴイ特性が出たわけではありませんが、なかなか再現性よく実験ができていたようです。

2012年2月17日金曜日

Antoine Kahn先生来訪

掲載が遅くなりましたが、1月19〜21日に、有機エレクトロニクス業界の有名人の一人で、私の師匠(と、私が思っている)の一人である、Princeton大学のAntoine Kahn先生が当研究室を訪問されました。
当研究科で院生向けの講義を行って頂いたほか、当研究室だけでなく柳先生と大門先生の研究室をご案内しました。


これは、当研究室を案内した時に、現在有機半導体へのドーピングと格闘中で、Kahn先生の有名なHOMO-LUMOチャートを参考にさせてもらっている学生が、プリントアウトしたスライドに先生のサインをもらっているところです。
あれ?そういえば、額に飾るんじゃなかった??


Kahn先生は、私がアトムテクノロジー研究体で有機物のエピタキシャル成長をAFMやSTMを使って調べていたころからの知り合いで、有機エレクトロニクスを研究対象にし始めた初期から色々と教えて頂き、短期在外研究で先生の研究室にも滞在させていただいたことがある、まさに師匠の一人です。
毎年、千葉大学に講義のために来られているのですが、私がNAISTに移動した初年度からわざわざ奈良まで来て頂き、感謝しています。


短時間ですが、奈良公園近辺も案内しました。
かなり前に奈良には来られたことがあるらしいですが、やっぱり鹿の写真は外せないようです。写真は、鹿(本物はこのフレーム内には入っていません)の写真を熱心に撮るKahn先生。
他にも、興福寺の国宝館なども案内しました。
まだまだ、英語で奈良を案内するには語学力が不足しています。英語の説明文もあるところにはあるのですが、歴史や宗教の専門用語を平気で使っているので、その道の通でない外国人には解らない単語が多いそうです。それを私がかみ砕いて説明すると、かみ砕きすぎでやはり解りにくいようで....

2012年1月7日土曜日

2012年度の学会・国際会議など

これから開催される当研究室に関係の深い学会・国際会議等をリストアップします。
※時々情報が更新されますので、ご注意下さい。

院生の皆さんも、どこで発表するかの目標を定めましょう!

2012年春季 第59回 応用物理学関係連合講演会
2012/3/15-18 早稲田大学 早稲田キャンパス
アブストラクト締切:1/9
レジストレーション締切:2/16

5th International Conference on Optical, Optoelectronic and Photonic Materials and Applications: ICOOPMA 2012
2012/6/3-7 奈良県 新公会堂
アブストラクト締切:2/10 (oral)、3/31 (poster)
レジストレーション締切:3/17

International Conference on Science and Technology of Synthetic Metals 2012 (ICSM 2012)
2012/7/8-13 Atlanta, GA, USA
アブストラクト締切:2/15
レジストレーション締切:4/15

The Nineteenth International Workshop on Active-Matrix Flatpanel Displays and Devices (AM-FPD12)
2012/7/4-6 京都, Japan
アブストラクト締切:3/20
レートニュース締切:
レジストレーション締切:

2012年(平成24年)秋季第73回応用物理学会学術講演会
2012/9/11-14 愛媛大学・松山大学
アブストラクト締切:5/?
レジストレーション締切:

2012 International Conference on Solid State Devices and Materials (SSDM 2012)
2012/9/25-27 京都, Japan
アブストラクト締切:5/11 24:00
レートニュース締切:7/23
プロシーディングス締切:?(JJAP)

The 2012 International Conference on Flexible and Printed Electronics
2012/9/6-9/8 東京大学本郷キャンパス
アブストラクト締切:6/5
レジストレーション締切:7/29

2012 MRS Fall Meeting
2012/11/26-30 Boston, USA
アブストラクト締切:6/?

薄膜材料デバイス研究会 第9回研究集会
2012/11/2-3 (奈良市)
アブストラクト締切:8/?
レジストレーション締切:10/?

9th International Thin-Film Transistor Conference (ITC2013)
2013/3/? 東京大学
アブストラクト締切:?
レジストレーション締切:?

2013 MRS Spring Meeting

2012年1月1日日曜日

あけましておめでとうございます

思い起こせば、2011年は私にとって激動の年でした。
ちょうど1年前に、NAISTへの移動の話が本格化し、昨年前半はともかく地震、輪番停電、自分の移動、学生の移動、装置の移動、研究室の立ち上げと、めまぐるしく動いた半年でした。
そのため、この間はなるべく出張予定を入れずに過ごしましたが、その反動からか、昨年後半はあちこちに出かけていたような気がします。
カレンダーからピックアップしてみると...

7月
AM-FPD 招待講演
液晶学会サマースクール セミナー講演

8月
ICAN24 講演
情報機構 セミナー講演

9月
応物学会 招待講演
KOSMOS Summer University セミナー講演
Jacobs University Bremen セミナー講演
ESPMI IV 招待講演

11月
M&BE講習会 セミナー講演
科学技術交流財団 招待講演
MRS Fall Meeting 講演

12月
学振第131委員会 招待講演
NAIST科学技術セミナー 講演
高分子学会 光反応・電子材料研究会 招待講演

講演回数として過去最高というわけではないかもしれませんが、長時間の講演が多かったです。

2012年は、過去の成果を話すだけでなく、どんどん新しい成果を出さねば!