2012年10月26日金曜日

2012秋 SPring-8実験

10月18日から20日にかけて、松原助教率いる総勢6名の部隊が実験のためにSPring-8に行ってきました。

おなじみBL46に向かうところです。
ストレージリングの大きさが実感できます。


エンドステーションに設置されたHuber社製のゴニオメータ他、です。ラボ機とはスケールが違いますから、初めて行くとどこまでがゴニオメータかが判りません。
サンプルはここ。

ビームアライメントから測定まで、ほとんどをここのコンソールで行います。素粒子実験ほどではないにしても、専任の技術者・研究者の人達がいないとシステムの把握は無理です。









さて、これで論文2つくらい出ますか?  −>松原助教

2012年10月8日月曜日

祝!山中先生ノーベル医学生理学賞受賞

いつ来てもおかしくないと言われていましたが、京都大iPS細胞研究所長の山中伸弥先生がノーベル医学生理学賞を受賞されました。

山中先生のすばらしい研究成果の土台は奈良先端大教員時代に形成されたとのことですから、現在奈良先端大に勤めている者としても喜ばしいです。

恥ずかしながら受賞騒ぎで始めて知ったのですが、山中先生、子供時代にはご近所の学園前エリアに住まれていたとのことで、どうやらうちの息子が今通っている小学校の卒業生らしい(息子の曖昧な記憶と、ネット検索で探した複数のツイッター&ブログ情報なので、真偽が分かり次第更新します)です。

先輩、本当におめでとうございます!

P.S.
小学校情報、間違っていませんでした。
今日は、テレビなどの取材が沢山入ったそうです。

2012年10月5日金曜日

出来すぎた話

今日は、SPring-8関連の次世代有機エレクトロニクスと放射光利用研究会」で講演のため、東京は神楽坂方面に出かけました。
行きの新幹線車中で、いつものごとく最近出張用に買っておいた「重くない本」(大阪国?ご参照下さい)を読んでいると、あるシーンで神楽坂が出てきました。

以前から、プライベートで旅行するときや、仕事の出張でも初めての街に行くときには、その街が舞台になった小説を買って、それを読みながら移動することを楽しみにしています。街の風景が違って見えますよ。やったことが無い人にはぜひお勧めします。

でも、今回は、年中行事と言ってよい東京行きなので、そんなことはまったく考えておらず、適当に選んで買ったまましばらく読まずにおいてあった文庫本をたまたま持ってきただけでした。

その本とは、東野圭吾の「聖女の救済」です。
そう、テレビで放送されたガリレオの原作シリーズの一作です。

「これは運が良いぞ」とにんまりしながら読み進めると.....えっ?

なんと、小説の中でSPring-8が重要な役割を果たしているじゃないですか。
やっぱり、今日は運が良いかも?
ここのところの激務で朝からローだった気分がだいぶん良くなってきました。

さて、読み進んでいると、こんな一文が....
いつの間にかiPodに入れた福山雅治のアルバムが終わっていて...
刑事の内海薫が聞き込みのために電車で移動しているシーンです。

え???
このあたりを読んでいるときに、私のiPodから流れていたのも福山さんです。

なんだか、出来すぎの一日でした。

2012年10月1日月曜日

なお、このテープは自動的に消滅する

「...なお、このテープは自動的に消滅する。

この台詞に「おおっ」と思ったら、あなたはおそらく40代以上ですね。
そう、元祖"Mission: Impossible"(邦題「スパイ大作戦」)の有名なフレーズです。(私は、もちろん再放送か、再々放送で見た組です。さすがに。もっと若い人なら、トム クルーズ主演でリメークされた映画のほうなら記憶にあるでしょうか?)

原作では、"This tape will self-destruct in five  seconds."と言っているらしいです。
テープレコーダー、しかも、オープンリールテープのレコーダーから今回のミッションが流れてきます。その最後にこの台詞が出たとたん、テープから煙りが出て破壊されるのです。

なんで、こんなことを思い出したのかというと、最近のScienceの記事を見たからです。

A Physically Transient Form of Silicon Electronics

ちょっとアブストを訳してみます。

現代のシリコン・エレクトロニクスの特筆すべき点は、現実的な用途において無期限ともいえる期間、物理的に不変であるという能力である。この性質が現在の集積回路の品質を折り紙付きにしているのだが、それとは逆の性質をもったシステム、例えば医学的に必要な期間は機能するが、その後、身体への再吸収によって完全に消えるような埋め込みデバイス、にもチャンスがあるかもしれない。本論文では、そのような短期消滅的性質を持つ新しいシリコンベースCMOS技術のための材料群、作製スキーム、デバイス構成、および、理論的設計ツールを、それらを用いて作られる集積センサ、アクチュエータ、電源、そして無線制御技術とともに報告する。プログラム可能な殺菌剤として働く埋め込み可能な短期消滅デバイスなどが、システムレベルでの応用例である。

これは盲点でした。
確かに、生体に吸収させるなら、有機材料ベースのデバイスより慎重に無害なものを選んだ無機材料ベースのもののほうが容易かもしれません。でも、有機材料ならではのアプリケーションもないわけではないぞ...っと。秘密の構想)