2012年10月1日月曜日

なお、このテープは自動的に消滅する

「...なお、このテープは自動的に消滅する。

この台詞に「おおっ」と思ったら、あなたはおそらく40代以上ですね。
そう、元祖"Mission: Impossible"(邦題「スパイ大作戦」)の有名なフレーズです。(私は、もちろん再放送か、再々放送で見た組です。さすがに。もっと若い人なら、トム クルーズ主演でリメークされた映画のほうなら記憶にあるでしょうか?)

原作では、"This tape will self-destruct in five  seconds."と言っているらしいです。
テープレコーダー、しかも、オープンリールテープのレコーダーから今回のミッションが流れてきます。その最後にこの台詞が出たとたん、テープから煙りが出て破壊されるのです。

なんで、こんなことを思い出したのかというと、最近のScienceの記事を見たからです。

A Physically Transient Form of Silicon Electronics

ちょっとアブストを訳してみます。

現代のシリコン・エレクトロニクスの特筆すべき点は、現実的な用途において無期限ともいえる期間、物理的に不変であるという能力である。この性質が現在の集積回路の品質を折り紙付きにしているのだが、それとは逆の性質をもったシステム、例えば医学的に必要な期間は機能するが、その後、身体への再吸収によって完全に消えるような埋め込みデバイス、にもチャンスがあるかもしれない。本論文では、そのような短期消滅的性質を持つ新しいシリコンベースCMOS技術のための材料群、作製スキーム、デバイス構成、および、理論的設計ツールを、それらを用いて作られる集積センサ、アクチュエータ、電源、そして無線制御技術とともに報告する。プログラム可能な殺菌剤として働く埋め込み可能な短期消滅デバイスなどが、システムレベルでの応用例である。

これは盲点でした。
確かに、生体に吸収させるなら、有機材料ベースのデバイスより慎重に無害なものを選んだ無機材料ベースのもののほうが容易かもしれません。でも、有機材料ならではのアプリケーションもないわけではないぞ...っと。秘密の構想)

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