2013年2月19日火曜日

M&BE7発表

3月に開催されるSeventh International Conference on Molecular Electronics and  Bioelectronics (M&BE7)での、当研究室関連発表リストです。

S.-G. Li, Y. Yoshioka, T. Ueda, R. Matsubara, M. Sakai, K. Kudo and M. Nakamura:
“THz Absorption by Field-Induced Carriers in Pentacene OFETs”, Seventh International Conference on Molecular Electronics and  Bioelectronics (M&BE7) (Fukuoka, Japan), (2013.3.19) A-P28.

S. Ochiai, S. Nakamura, R. Matsubara, and M. Nakamura:
“Preparation of organic thin film transistor with ideally flat semiconductor/insulator interface using cleaved mica surface”, Seventh International Conference on Molecular Electronics and Bioelectronics (M&BE7) (Fukuoka, Japan), (2013.3.19) A-P33.

M. Ito, Y. Tomatsu, R. Matsubara1, N. Okamoto, I. Yamashita1, M. Namamura:
"Enhanced thermoelectric performance of carbon nanotube /cage-shaped protein nanocomposites", Seventh International Conference on Molecular Electronics and Bioelectronics (M&BE7) (Fukuoka, Japan), (2013.3.19) A-P43.

S.Kanto, Y. Chai, R. Matsubara, M. Nakamura:
“Bright-Color Organic Photovoltaic Devices Using Benzothieno-Benzothiophenes for Room-Ambient Energy Harvesting”, Seventh International Conference on Molecular Electronics and Bioelectronics (M&BE7) (Fukuoka, Japan), (2013.3.19) E-P7.

M. Namamura, Y. Tomatsu, M. Ito, and R. Matsubara:
“Giant Thermoelectric Effect in Thin Films of Pure C60 Fullerene”, Seventh International Conference on Molecular Electronics and Bioelectronics (M&BE7) (Fukuoka, Japan), (2013.3.18) A-O6.

R. Matsubara, S. Ochiai, S. Nakamura, and M. Nakamura:
“Crystal structures and mobility limiting factors of pentacene thin films grown on mica surfaces”, Seventh International Conference on Molecular Electronics and Bioelectronics (M&BE7) (Fukuoka, Japan), (2013.3.18) A-O2.

2013年2月10日日曜日

プロフェッショナル

今回のアメリカ行きでは往復とも本格的には寝られなかったので、映画三昧になってしまいました。何度も朦朧としていたので、何を見たかの記憶が少し曖昧ですが、憶えているだけで、Frankenweenie(これは今日本でも絶賛公開中ですね。Tim Burtonが20代半ばに初監督作品として作ったものの長編化だそうです。)天地明察(あおいちゃんのファンではありますが、この映画はそれ関係ないというか、適役ではないかも。映画より原作のほうがよかったです。)Paranormal Activity 4(Katie Featherstonがいい!でも、ほとんどそれだけ。日本人だからアメリカンホラーが合わないのかも。)Dodgeball: A True Underdog Story(いかにもアメリカンコメディーです。アメリカではヒットしたらしい。)綱引いちゃった!(こちらは日本的なコメディー。個人的には西田尚美さんがいい。失礼ながら、木村多江さんと並ぶ「不幸が似合う女優」だと思っています。ファブリーズCMも良かったですが。それにしても、笹野高史さん、あちこちで出ますね~。天地明察とともに、いいところで味をだしています。)、など。
おそらく、あと2つくらい見たと思いますが憶えていない(スタート直後に寝たか?)。

とまあ、日頃あまり映画を見ない私の1年分くらいを見たのですが、結局一番印象に残ったのは映画ではなく、空港までの電車に乗っている間も含めて読んだ小説「エデン」、近藤史恵さんの傑作「サクリファイス」の続編です。日本では珍しい、自転車ロードレースを舞台とする小説です。サクリファイスのほうは、大藪春彦賞を受賞したり、本屋大賞でも2位になったので、読んだ人も多いのでは?
1月の文庫化直後に買っておいたのですが、読む時間が無く、結局今回の出張のお供になりました。さらに続編も出ているのですが、いつものごとく文庫化待ちです。

以下、ネタバレが少しあります。
新刊として出てからは3年近く経っていますから、お許し下さい。

前作では、欧州ロードレースにも時折参加するというレベルの国内チームで活躍を始めたばかりであった主人公の白石誓が、三年後の設定とは言え、なんと優勝を争うチームでツール・ド・フランスを走っています。この白石選手、なんとも日本人っぽいというか、自虐的というか、まさにアシスト的な人なんですが、それにしても大出世じゃないですか!
とは言え、相変わらず、チームのエースをサポートする立場です。控えめなんです。でも、それが、このシリーズの小説を面白くしているところです。前作のタイトル「サクリファイス」も、この白石選手のキャラと自転車ロードレースという独特の文化がマッチしたストーリーが傑作である所以でした。

なにしろ、長丁場のツールですから、1レースだけで小説が成り立っています。その前半最後の山場が、白石の山岳賞獲得です。なんと、マイヨ・グランペールを着ることになるのです。(現実世界では、日本人はこれまでに敢闘賞しかいません。残念。)
こう書くと華々しい活躍をしているみたいですが、レース前にチームの来期解散が確定的になるは、それに伴う利己主義的な監督オーダーに悶々とするは、世界トップクラスの選手たちとの圧倒的な力の差を見せつけられるはで、あいかわらず自信に満ちあふれたトップ選手とは対極の心理状態が続きます。

それにしても、自転車ロードレース、特にステージレースの世界というのは、面白いですね。
エース選手の総合順位を上げるために、様々なチーム戦略を駆使する。その過程で、エース以外の選手もステージ優勝や、特定の賞が狙える。利害が一致する場合は、ライバルチームとも協力してレースを組み立てる。総合成績だけでなく、いろいろなところで目立つことでスポンサーにアピールする。
そんな中、決してエース級ではない白石が、初めてのツール・ド・フランスでトップ選手とからむ重要な役割を果たしていきます。新人ながら楽々とトップグループに入ってくる将来のスター選手に混じって、ツール・ド・フランスに出ることだけでも必死な中、日本のロードレース界の歴史と期待を背負って。
それでも、彼は「ここは楽園、ここにいられることが至福だ」と思っているのです。

研究者も同じかもしれません。
国際会議で、聴衆の注目の中、口頭講演やたまには招待講演の栄誉に預かっているとき、やはり至福の時だと思います。それまでに起こる様々なことも、ロードレースに似ているところがあります。

ただし、薬物ドーピングは勘弁して欲しいですね。