2014年2月28日金曜日

エコも継続が力

少し前になるのですが、奈良県内、明日香村のさらに南の山中にある壺坂寺(正式には、壷阪山南法華寺だそうです)を訪問しました。約1300年前の藤原京の時代に創建されたお寺です。
ここは、西国三十三所の巡礼地として、あるいは、眼病に御利益がある寺としても知られているだけでなく、ユニークな活動の数々でも知られています。実はもう一つ、太陽電池関係者に名が知れた寺でもあります。

こんなふうに、普通に歴史のある寺院で、右側の三重塔は、再建されているとはいえ築520年ほど経た歴史的建造物です。

この塔をライトアップしている照明がこれです!
少し片鱗が見えてきましたね。このお寺は、ただ古いだけではないのです。よく見るとLED照明を取り入れていることがわかります。

このお寺の数ある特徴の一つで、シルクロードの終着点であることを意識してか、インドとの交流を盛んに行っていて、インドで製作された石像や石の建造物を次々と増やしています。これは、全長50mにもなる石に刻まれた「釈迦一代記」です。

これを照らす照明も、もちろんLEDです!

これもインドで製作されたという全長20mもある観音像ですが、ここが今回の訪問の最大の目的地でした。といっても、観音像自体は極めて普通の昭和に作られたものなので、これなら120mもある牛久大仏のほうが巨大さで物珍しいのですが...

この観音像をライトアップする照明は、さすがにLEDではパワー不足なのか、昔ながらのハロゲン灯(たぶん)です。
しかし、有名なのはこれではなく、これを点灯させるための電源です。


これです!
このパネルで発電した電力をバッテリーに蓄えて、観音像のライトアップを行っているそうです。なんと30年以上前に設置されたソーラーパネルで、国内で稼働している中でも最古級と言われています。当時の住職が「観音様を照らすには自然のエネルギーを使いたい」と考えて、太陽光発電を採用したそうです。先見の明ですね。

”高取町壷阪の壷阪寺(常盤勝範住職)で夜間、高さ20メートルの大観音石像を照らすライト。その電源に使われている太陽光発電装置が、民間用では国内でも最古級の実証例として研究機関などから注目を集めている。”
奈良新聞の記事より転載)

そう、これは、国内で最も長く続いているフィールドテストとも言えます。シャープのパンフレットにも、長期信頼性の証として掲載されています。


こんなふうに、太陽電池をより長寿命化するにはどこの劣化が問題になるのかなどの貴重なデータを、これからも提供してくれることでしょう。

住宅用としても、パネル寿命30年以上というのはひとつの目安で、日本の一般木造家屋の平均建て替え年数と同程度になりますから、これくらい持てば新築時に屋根に設置したものを、本体の建て替えまで交換する必要がなくなります。もちろん、屋根のメンテナンスは10~15年程度で行うべし、とも言われていますので、本体費用と作業費用さえ安ければ15年程度というのも目安にできるかもしれません。
しかし、一般家庭用としては新築時に屋根一体型としてソーラーパネルを設置するケースが増えてくると思われますから、そのような場合は、やはり30年もって欲しいのです。木造家屋の寿命自体は、きちんとメンテナンスをすれば50年以上、素材と手の入れ方によっては何百年にもなりますから、30年でも足りないくらいです。(我が家も一体型ですが、果たして何年持つかな?)私が有機太陽電池の応用として屋外固定用途を想定しない理由の一つが、これです。

それはそうと、この看板に書かれた「サンシャインプロジェクト」、懐かしいですね~。私が学生時代に使っていた研究設備の大半は、このプロジェクト関連の予算で整備されたものでした。

2014年2月24日月曜日

雪の芸術?

2月14日~15日は広い範囲で記録的な雪となりましたが、14日には例年ほとんど雪が降らない生駒でも15cmくらい積もりました。
バスもタクシーも大混乱の中、私もなんとか大学にたどり着いたのですが、そんな日にもかかわらず遠路はるばる関東から訪問されたTさん、大変な日でしたね。

その日は大雪警報が出たこともあって学生も少なかったのですが、一部の学生(特にあったかそうな国からの留学生と思しき人たち)はここぞとばかりに雪と戯れていました。

どうやら、いくつかの芸術作品も生まれたようで...


作者不詳の作品、その1。
「物憂げなSnow Man」(仮)













作者不詳の作品、その2。
「ビーナスの休憩」(仮)








NAISTにも、なかなか芸術家魂をもった人がいるもんですね。


一方、こちらはインダストリアルデザイン賞をあげたくなります。
一週間経過後も、まだなんとか形を保っていました。外灯がLEDタイプでよかったですね。