2014年11月20日木曜日

中学生特別授業

今日、明日と、NAISTに近い2つの中学校から1年生の生徒全員を招き、特別授業が行われています。これは、生駒市教育委員会とNAISTが共同で長年行っている理科教育のための恒例の行事で、今回は初めて2つの中学校に枠を拡げ、3回にわけて開催することになりました。これとは別に、NAISTの若手教員や大学院生が中学校に出向いて行う出前授業も行われています。

テーマは「物質が出すさまざまな光」とし、「分子が放つ光」、「なぜ色が見える?」、「生物が放つ光」、「熱と光」の四部構成としました。およそ以下の内容を90分で行う、充実した(しすぎて時間に収めるのが大変な?)内容です。
・光は波、波長で性質が変わる
・全ての物質は原子と分子でできている
・光はエネルギー(励起状態から基底状態に移るとき光が生まれる)
・化学反応で光を作る
・ケミカルライトが光るしくみ
・実際に化学発光を見てみよう → 実験1
・人間の目のしくみ(青、緑、赤を感じる細胞)
・なぜ黄色が見える?
・白色ってなに?
・「ノーベル賞をとった光」白色LEDも実は青色と黄色からできている(2014年ノーベル物理学賞)
・光る生物
・光るタンパク質GFP(2008年ノーベル化学賞)
・生物が光る仕組み(ルシフェリン‐ルシフェラーゼ、イクオリン生物発光→GFP蛍光)
・ルシフェラーゼを光らせてみよう → 実験2
・GFPを光らせてみよう → 実験2’
・分子の振動と光(熱をもつものは光を出す)
・私たちが光っているのを見てみよう(サーモグラフィー実演) → 実験3
・物を暖める方法~熱もエネルギー
・エネルギーの種類とその間での変換(エネルギーは形を変える)
・ボールの運動エネルギーを熱に変える → 実験4
・衝撃吸収ポリマーの応用例
・二つの黒いボール(一方は弾性の高い弾むゴム、もう一方は粘性の高い衝撃吸収ゴム)をテーブルに落として跳ね返りを比較してみよう → 実験5

授業を手伝ってくれた大学院生たちも、「自分が中学生のときに、こんな授業を受けたかった」と羨んでいました。

なお、本日午前の部では、生駒市長、副市長、教育長、教育委員会の皆様も見学に来られました。その様子は、生駒市長の市長日記にも掲載されています。

追記
特別授業の様子は、このあたりのケーブルテレビで流れている生駒市の広報番組でも紹介されました。YouTubeでも視聴できます。