2009年3月22日日曜日

減点主義と加点主義

あるベンチャー企業の社長がブログかなにかで意見を書き込んでいるのを目にした記憶があります。
曰く、日本の社会は減点主義である。ベンチャー企業というのは、本来ゼロからスタートするわけであるから、最初は加点主義で始まる。しかし、成長するに従って減点主義の人たちが現れてきて、チャレンジ精神を奪ってゆく。減点主義に陥ったベンチャー企業はただの零細企業であると。(記憶で書いているので、違ったらゴメンナサイ。)

私は、大学における教育も研究も加点主義であるべきだと考えています。(私の講義を受けたことのある人なら、加点方式のレポートや質問加点などで恩恵を被ったことないですか?)
教育においては、そもそも大学まできたのなら、得意分野を伸ばすことと、自ら主体的にチャレンジすることが大事だと思うからです。研究においては、言うまでもないですね。無難なことばかりやっていては新しい発見も発明もありませんから。加点主義では、新しく難しいことをやって失敗することはプラスに評価されます。失敗を次のチャレンジに活かせば良いのです。

人間関係でも、加点主義のほうが良いそうです。
相手の悪いところばかり見るとまさに悪循環に陥って、かならず人間関係が壊れます。誰かのことが嫌いになりそうになったら、その人の悪い点を思い出すのではなく、その人の良い点を並べたてるのです。子育てなどもそうです。一番やってはいけないことは、「あれをしてはいけない。これをしてはいけない。」と次々にダメだしすることだそうです。
これはある小児科医の話だったと思います。その人は、「私は、親の『過保護』が子供をダメにした例を見たことがない。子供をダメにするのは、親が常にあれこれ指示をする『過干渉』である。」というふうに言っていました。

でも、現実に、日本の社会は確かに減点主義の色合いが強いと思います。他人に対して「過干渉」な人も多いように思います。就職における新卒至上主義や、履歴書の空白が大きなマイナスポイントになることなどもその一例でしょう。また、いくら加点主義が良いと言っても、大きな良いことをすれば、小さな悪いことならしても良いのだと考えるのは問題です。
なので、学生の皆さんには、大学でも社会に出てからも、積極的にチャレンジする心はそのままで、どうしても落としてはいけない重要なことは慎重に減点主義を取り入れることをお勧めします。どんな組織にもかならずいる「TVドラマの教頭先生タイプ」の減点主義者につけいる隙を与えないようにしてください。

MN

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