2014年12月3日水曜日

MRS参加中

恒例のMRS Fall Meetingに参加するためにボストン滞在中です。

MRSでは、パラレルで開催されるシンポジウム(日本の学会で言うところの中分類や領域に相当しますが、毎回異なるオーガーナイザーがプロポーザルを出します)の数がどんどん増えきています。さらに、専門分野というよりは、その時々の研究トレンドのキーワードによってシンポジウムが組み変わるので、連続する講演内容の関連生が弱くなってきているような気がします。
このままでは、各シンポジウムのオーラルセッションににおいて、何かを大勢でディスカッションするという機能が弱まっていくような気がするのですが。

ちなみに、オーラルセッションとポスターセッションの間がだいたい3時間空いているので、その間にディナーに出かける余裕があります。
今日は、All NAISTのメンバー(今回は、当研究室から4名、情報機能素子から3名)で、初参加の学生達の希望に従ってロブスターが食べられるシーフードレストランへ行ってきました。
写真でロブスターが判るでしょうか?
一匹は見えていますが、赤い皿の上ですから...


2014年11月20日木曜日

中学生特別授業

今日、明日と、NAISTに近い2つの中学校から1年生の生徒全員を招き、特別授業が行われています。これは、生駒市教育委員会とNAISTが共同で長年行っている理科教育のための恒例の行事で、今回は初めて2つの中学校に枠を拡げ、3回にわけて開催することになりました。これとは別に、NAISTの若手教員や大学院生が中学校に出向いて行う出前授業も行われています。

テーマは「物質が出すさまざまな光」とし、「分子が放つ光」、「なぜ色が見える?」、「生物が放つ光」、「熱と光」の四部構成としました。およそ以下の内容を90分で行う、充実した(しすぎて時間に収めるのが大変な?)内容です。
・光は波、波長で性質が変わる
・全ての物質は原子と分子でできている
・光はエネルギー(励起状態から基底状態に移るとき光が生まれる)
・化学反応で光を作る
・ケミカルライトが光るしくみ
・実際に化学発光を見てみよう → 実験1
・人間の目のしくみ(青、緑、赤を感じる細胞)
・なぜ黄色が見える?
・白色ってなに?
・「ノーベル賞をとった光」白色LEDも実は青色と黄色からできている(2014年ノーベル物理学賞)
・光る生物
・光るタンパク質GFP(2008年ノーベル化学賞)
・生物が光る仕組み(ルシフェリン‐ルシフェラーゼ、イクオリン生物発光→GFP蛍光)
・ルシフェラーゼを光らせてみよう → 実験2
・GFPを光らせてみよう → 実験2’
・分子の振動と光(熱をもつものは光を出す)
・私たちが光っているのを見てみよう(サーモグラフィー実演) → 実験3
・物を暖める方法~熱もエネルギー
・エネルギーの種類とその間での変換(エネルギーは形を変える)
・ボールの運動エネルギーを熱に変える → 実験4
・衝撃吸収ポリマーの応用例
・二つの黒いボール(一方は弾性の高い弾むゴム、もう一方は粘性の高い衝撃吸収ゴム)をテーブルに落として跳ね返りを比較してみよう → 実験5

授業を手伝ってくれた大学院生たちも、「自分が中学生のときに、こんな授業を受けたかった」と羨んでいました。

なお、本日午前の部では、生駒市長、副市長、教育長、教育委員会の皆様も見学に来られました。その様子は、生駒市長の市長日記にも掲載されています。

追記
特別授業の様子は、このあたりのケーブルテレビで流れている生駒市の広報番組でも紹介されました。YouTubeでも視聴できます。

2014年9月25日木曜日

伊藤君、KJF-ICOMEP2014にてYoung Poster Award受賞













International Conference on Organic Materials for Electronics and Photonics (KJF-ICOMEP2014)において、D1の伊藤君が発表した、"Enhanced Thermoelectric Performance by Separated Heat and Carriers Transports in Carbon Nanotube Composites" (PB048)が、Young Poster Awardを受賞しました!

おめでとうございます!

先週の阿部君に引き続き、熱電チームから2週連続の受賞です。
なお、この国際会議では、約250件のポスター講演(そのうち年齢 的に対象者は150〜200人くらい?)の中から12人が選ばれました。

2014年9月20日土曜日

阿部君、応物 Poster Award 受賞


2014年 第75回応用物理学会秋季学術講演会において、当研究室M2の阿部君が発表した、「温度変調に伴うキャリア伝導機構変化を利用した新奇有機熱電材料の探(Ⅱ):巨大ゼーベック効果は定常現象か?」(19p-PA6-17)が、Poster Awardを受賞しました!
 → 応物学会のFacebook タイムライン

おめでとうございます!

なお、応物講演会のPoster Awardは、プログラム編集委員の推薦講演を1次候補として理事等による投票によって決まり、年齢等関係なく全ポスター講演の2%程度に与えられます。

2014 MRS Fall Meeting での当研究室関連の発表

今回の2014 MRS Fall Meetingでは、初めて有機熱電のシンポジウムが開かれます。
当研究室からも熱電メンバー総員攻撃(といってもM2以上)を行いますので、関連する講演リストを紹介します。

Symposium BB: Molecular, Polymer and Hybrid Materials for Thermoelectrics

Paper # BB1.02 
A Broad Survey of Organic-Based Thermoelectric Materials: Which Categories of Materials are Most Promising? 
Masakazu Nakamura, Mitsuhiro Ito, Ryo Abe, Hirotaka Kojima, Ryosuke Matsubara
December 3, 2014 
9:00 AM to 9:15 AM 

Paper: # BB7.05
Novel Organic Thermoelectric Materials Utilizing Temperature-Induced Alternation of Structure and Carrier Transport
Ryo Abe, Mitsuhiro Ito, Kohtaro Takahashi, Hirotaka Kojima, Ryosuke Matsubara, Daiki Kuzuhara, Hiroko Yamada, Tatsuya Yamamoto, Hidenori Yakushiji, Masaaki Ikeda, Masakazu Nakamura
December 4, 2014
8:00 PM to 11:00 PM

Paper: # BB7.08
Formation of Biomolecular Junctions in Carbon Nanotube Composites for the Separate Transport of Heat and Carriers
Mitsuhiro Ito, Naofumi Okamoto, Ryo Abe, Hirotaka Kojima, Ryosuke Matsubara, Ichiro Yamashita, Masakazu Nakamura
December 4, 2014
8:00 PM to 11:00 PM

Paper: # BB7.11
Irregular Thermoelectric Behavior of C60 and Computational Elucidation of Its Origin
Hirotaka Kojima, Ryo Abe, Fumiya Fujiwara, Mitsuhiro Ito, Takuya Hashizume, Takafumi Oguri, Mamoru Kikuchi, Takeshi Watanabe, Tomoyuki Koganezawa, Ryosuke Matsubara, Noriyuki Yoshimoto, Masakazu Nakamura
December 4, 2014
8:00 PM to 11:00 PM

2014年9月14日日曜日

2014年秋応物学会発表

2014年第75回応用物理学会秋期学術講演会での、当研究室関連の発表一覧です。

1. 小栗貴文, 多田圭佑, 渡辺 剛, 菊池 護, 小金澤智之, 中村雅一, 廣沢一郎, 吉本則之:
“In-situ 2D-GIXD 観察によるペンタセン蒸着膜の構造温度依存性”, 第75回応用物理学会秋季学術講演会(北海道大学札幌キャンパス), p.12-??? (2014.9.17) 17a-A5-2.

2. 寺岡拓麻, 松原亮介, 小島広考, 中村雅一:
“低分子真空蒸着における成膜速度の超高速化とFET特性への影響”, 第75回応用物理学会秋季学術講演会(北海道大学札幌キャンパス), p.12-??? (2014.9.17) 17a-A4-5.

3. 阿部 竜, 伊藤光洋, 高橋功太郎, 小島広孝, 松原亮介, 葛原大軌, 山田容子, 中村雅一:
“温度変調に伴うキャリア伝導機構変化を利用した新奇有機熱電材料の探索(II):巨大ゼーベック効果は定常現象か?”, 第75回応用物理学会秋季学術講演会(北海道大学札幌キャンパス), p.12-??? (2014.9.19) 19p-PA6-17.

4. 伊藤光洋, 岡本尚文, 阿部 竜, 小島広孝, 松原亮介, 山下一郎, 中村雅一:
“かご状タンパク質を利用した熱・キャリア輸送制御によるカーボンナノチューブナノコンポジットの熱電性能向上”, 第75回応用物理学会秋季学術講演会(北海道大学札幌キャンパス), p.12-??? (2014.9.19) 19p-A3-17.

2014年9月9日火曜日

2014年度の学会・国際会議など

これから開催される当研究室に関係の深い学会・国際会議等をリストアップします。
※時々情報が更新されますので、ご注意下さい。
院生の皆さんも、どこで発表するかの目標を定めましょう!

International Conference on Science and Technology of Synthetic Metals 2014 (ICSM 2014)
2014/6/30-7/6 Turku, Finland
アブストラクト締切:2/14 (終了)
レジストレーション締切:4/28

The 8th International Symposium on Organic Molecular Electronics (ISOME 2014)
2014/5/15-16 東京農工大(小金井市)
アブストラクト締切:3/17 (終了)
早期レジストレーション締切:4/16 (終了)

The 21st International Workshop on Active-Matrix Flatpanel Displays and Devices (AM-FPD14)
2014/7/2-5 京都
アブストラクト締切:3/24 (終了)
レートニュース締切:5/7 (終了)
早期レジストレーション締切:6/9 (終了)

The 39th International Conference on Infrared, Millimeter, and Terahertz Waves (IRMMW-THz 2014)
2014/9/15-19 Univ. Arizona, Tucson, AZ, USA
アブストラクト締切:4/1 (終了)
レジストレーション締切:

Gordon Research Conferences: Electronic Processes in Organic Materials
New Frontiers in the Chemistry and Physics of Organic Electronic and Opto-electronic Materials
May 4-9, 2014 Renaissance Tuscany Il Ciocco Resort, Lucca (Barga), Italy
アブストラクト締切:4/6 (終了)
早期レジストレーション締切:

2014 International Conference on Solid State Devices and Materials (SSDM 2014)
2014/9/8-11 つくば
アブストラクト締切:4/28 (終了)
レートニュース締切:7/10 (終了)
プロシーディングス締切:?(JJAP)

アブストラクト締切:6/1 (終了)
早期レジストレーション締切:7/30 (終了)

2014年 応用物理学会秋期学術講演会
2014/9/17-20 北海道大学
アブストラクト締切:6/12 (終了)
早期レジストレーション締切:8/25
2014/11/30-12/5 Boston, USA
アブストラクト締切:6/19 (11:59 p.m. ET) (終了)
早期レジストレーション締切:
※今回は、当研究室に関係のあるシンポジウムが満載です!
Symposium A: Organic Bioelectronics
Symposium E: Hard-Soft Interfaces in Biological and Bioinspired Materials—Bridging the Gap between Theory and Experiment
Symposium Q: Fundamentals of Organic Semiconductors—Synthesis, Morphology, Devices and Theory
Symposium U: Organic Photovoltaics—Fundamentals, Materials and Devices
Symposium BB: Molecular, Polymer and Hybrid Materials for Thermoelectrics ←注目!
Symposium NN: Mathematical and Computational Aspects of Materials Science

2014/11/2-6 松江
アブストラクト締切:6/27 (終了)
早期レジストレーション締切:9/26
プロシーディングス締切:12/31(e-JSSNT)

KJF - International Conference on Organic Materials for Electronics and Photonics (KJF-ICOMEP) 2014
2014/9/21-24 つくば国際会議場(EPOCHAL TSUKUBA)
アブストラクト締切:6/30 (終了)
早期レジストレーション締切:7/31 (終了)

薄膜材料デバイス研究会 第11回研究集会
2014/10/31-11/1 京都
アブストラクト締切:9月10日(水) 24時(延長されました)
早期レジストレーション締切:10/21

The International Conference on Small Science (ICSS) 2014
2014/12/8-11 Hong Kong, China
アブストラクト締切:9/18
早期レジストレーション締切:10/25

2015 MRS Spring Meeting
2015/4/6-10 San Francisco, USA
アブストラクト締切:11/?

2014年7月4日金曜日

エネルギー収支

今回は、研究にも関連するけど、個人的な実験のお話。

今の自宅も、入居後2年ちょっと経過しました。以前、このブログでも紹介したように、この家はエネルギー自給自足に向けた個人的な実験でもあります。
ここで、2013年の「実験データ」を紹介します。


ちょっと煩雑な図ですが、緑の折れ線はこの1年間の1日ごとの発電電力量です。薄緑で塗りつぶされた分は、発電電力量-消費電力量の収支における黒字分(つまり作った電力のほうが多い日です)、薄赤で塗りつぶされた分は、逆に赤字分です。
我が家の2013年エネルギー自給率は74%でした。冷暖房と給湯を電力でまかなっているわりには、なかなかの自給率だと思います。しかも、原則的に24時間冷暖房を使った結果です。やはり、「高気密・高断熱」の威力はなかなかのものですね。

緑の点線は何かというと、我が家のシステムで毎日がほぼベストコンディションだったら発電できるであろう理想曲線をおおざっぱに引いてみたものです。これはかなり荒い近似なので、いずれもっと精度を上げた経験式と比較してみます。
本来なら一番発電量が多くなるはずの夏場にかけて、梅雨空のせいで見事に大損していることがわかります。
この手のデータを初めて見る人は、「こんなに発電しないのか!?」と思われるでしょう。でも、我が家の2013年年間発電電力量実績 6707 kWhに対して、日照データと工学的な経験式から推定される2013年の総発電量は 6262 kWhです(こちらのサイトを使わせて頂きました)。つまり、これでもこの地域の水準より発電しているほうなのです。

緑と赤の階段状の線は、それぞれ発電と消費の1ヶ月平均電力量です。
いかに冬場に消費電力量が大きいかがわかりますね。
この差の第1の原因は冷暖房です。どちらもヒートポンプによるのですが、夏は外気温最高35℃のときに室温は27℃くらいですから、温度差は最大8℃。それに対して、冬は下手をすると外気温-5℃くらいまで下がります(このあたりは、気候的に東北地方南部太平洋岸相当なのです!)から、室温を20℃に保つとして温度差は25℃もあります。この温度差で熱を逆流させるのですから、大変です。
もう一つの原因は温水器です。これもヒートポンプですが、外気温マイナスのところで水を45℃近くにまで暖めるわけですから、熱を運ぶために要する仕事はさらに大きくなります。
おかげで、12月~2月は大赤字になるわけです。
一方、一番黒字になるのが5月です。これは西日本ならたいていこうなるようです。
日射量が大きいにもかかわらず、梅雨もなく、台風や夕立も来ないからです。さらにもう一つ、気温が高すぎないこともプラスになります。
一般的な半導体では、温度上昇とともにバンドギャップが小さくなります。そんなの大したことないだろうと思われるかもしれませんが、結晶シリコンの場合、25℃に対して70℃では約2割も出力低下します。我が家のパネルは、結晶系ではなく薄膜シリコン系タンデムなので(残念ながら「有機」ではありません ^^)、元々バンドギャップが広いためにこの低下が少なめになります。さらに、「夏場のアニール効果」で効率が回復する現象が拮抗するため、あまり目立ちません。

さて、この収支を改善するには、暖房と給湯の効率をいかに上げるかです。
快適かつ現代的(というより未来志向)な生活を犠牲にしないことが前提ですから、冷暖房をケチるつもりはありません。
まず、ターゲットは給湯です。娘と家内には、冬場に頭を洗う日を間引けと言っているのですが....
今年の冬は、こっそり給湯温度を下げてみましょうか。