ここ数ヶ月、検査陽性者数がふらふらしながら長期的には漸減していたので、先月後半からの変化が増加傾向なのかゆらぎなのかが判別できませんでした。ここにきて、 東京都と大阪府の推移が明確な増加フェーズに入ったように見受けられます。今月後半には、1〜2月の前回ピークと同じレベルに達する勢いです。注意が必要ですね。
2022年7月6日水曜日
2022年5月17日火曜日
解析と考察(54)
大型連休によるイレギュラリティも収まってきたと思われますので、グラフを更新します。検査陽性者数は、連休中の一時的な減少と終わった直後の増加を無視すれば、漸減傾向が続いているようです。死亡者数は、さらに減少傾向が強くなっています。
2022年4月8日金曜日
解析と考察(53)
先週見られた傾向よりは増加が緩やかになっていますので、更新したグラフを掲載しておきます。
ところで、いつのまにか53投目になったこのCOVID-19解析と考察シリーズ、継続的に見に来ている人もいるようです。しかし、最近初めて見た人は「自分の研究と関係無いものを何故延々とブログ投稿しているのだろう?」と思った人もいるでしょう。このあたりで、そもそも何故こんなものを掲載しているのかを説明しておきます。
私(中村)が約2年前に感じた不満は、ニュースやウェブサイトで表示している陽性者等のグラフはリニアプロットばかりであるという点にありました。感染症が広まるという現象は微分方程式で書けて、人口に対する感染者の割合が少ないときは解は微分方程式の定数が不変であれば単純な指数関数になります。それならセミログプロットすることで直線になりますので、増加や減少が定常的なのかどうかが一目瞭然です。例えば下のグラフで、2月から3月にかけてグラフ上で直線的に陽性者数が減っていることから、この間ずっと同じ微分方程式に従っていた、すなわち一人の感染者から平均何人の新たな感染者が出るかという値がずっと一定であったということがわかります。また、グラフ上で直線的に増加している時期には、このままならいつ頃に社会的限界に達するかが直線を延ばすだけで簡単に予測できます。
この他に、セミロググラフには以下の利点があります。
- データの大きさが何桁にもわたる場合にも、小さいところでの変動が見やすい。
- 下記の全国と大阪府の比較のように、10倍以上大きさが異なる値が連動して変化している場合でも、両者が常に比例しているなら同じ形のグラフを上下に平行移動したものになるため、比例関係にあるのかどうかが分かりやすい。
2022年4月3日日曜日
解析と考察(52)
陽性者数について、3月21日に「まん延防止等重点措置」が多くの地域で解除された直後から、驚くほど綺麗に下り勾配が登り勾配に切り替わりました。今は多くの人が移動する時期なのでこれからまだ変動する可能性が高いと思われますが、現時点ではおよそ1ヶ月で倍程度の増加率でしょうか。このまま進むとGWに活動制限が必要になってくるかもしれません。
入院治療を要する者の数に対する死亡者数の率は、幸いさらに低下傾向が見られます。ブースター接種が効いてきたのかもしれません。
2022年3月19日土曜日
解析と考察(51)
最新のグラフから分かることを説明します。
陽性者数は2月初頭より一定割合で漸減しており、1.5ヶ月にわたってその減少係数は一定値を保っています。これは、実効再生産数が1よりわずかに小さい状態を極めて安定して保っていることを示します。陽性者数が44日で半分になるというこれまでにない遅いペースです。これから「まん延防止等重点措置」が解除されるとともに人の移動や新たな出会いが増える時期ですから、どこかの時点で増加に転じるかもしれません。
死亡者数は、前々回のピークまでの結果から導き出した入院治療を要する者の数からの換算式で換算したグラフと相似形になってきました。従って診断から死亡までの時間スケールはあまり変わっていないようです。死亡する確率は前回のピークのときに急に低下したのですが、今回もそれと同じ率を保っているようです。
2020年7月2日木曜日
解析と考察
2017年12月22日金曜日
NAIST東京フォーラム
日経新聞(電子版)にも掲載されていますが、
http://ps.nikkei.co.jp/naist2017/
掲載期間が平成29年12月22日~平成30年1月21日と短いそうなので、ブログでのみお知らせします。是非読んでみて下さい。
2015年11月8日日曜日
オープンキャンパス開催中
1Fのロビーには、小学生達が沢山来て盛り上がっていますね。
当研究室も、有機太陽電池や糸状熱電材料による「発電する布」などのデモンストレーションを行っています。
2015年8月28日金曜日
イノベーションジャパン出展中
CNT複合材料による「発電する布」の特許出願でJSTにお世話になりましたので、そのPRです。
(写真)展示ブースにて説明を行う産官学連携推進本部の藤井さんと伊藤君
この手の大学発新技術の展示会は久しぶりですが、異分野のいろいろな話が聞けて、他の人たちの発表を見ていても面白いですね。
2014年7月4日金曜日
エネルギー収支
今の自宅も、入居後2年ちょっと経過しました。以前、このブログでも紹介したように、この家はエネルギー自給自足に向けた個人的な実験でもあります。
ここで、2013年の「実験データ」を紹介します。
ちょっと煩雑な図ですが、緑の折れ線はこの1年間の1日ごとの発電電力量です。薄緑で塗りつぶされた分は、発電電力量-消費電力量の収支における黒字分(つまり作った電力のほうが多い日です)、薄赤で塗りつぶされた分は、逆に赤字分です。
我が家の2013年エネルギー自給率は74%でした。冷暖房と給湯を電力でまかなっているわりには、なかなかの自給率だと思います。しかも、原則的に24時間冷暖房を使った結果です。やはり、「高気密・高断熱」の威力はなかなかのものですね。
緑の点線は何かというと、我が家のシステムで毎日がほぼベストコンディションだったら発電できるであろう理想曲線をおおざっぱに引いてみたものです。これはかなり荒い近似なので、いずれもっと精度を上げた経験式と比較してみます。
本来なら一番発電量が多くなるはずの夏場にかけて、梅雨空のせいで見事に大損していることがわかります。
この手のデータを初めて見る人は、「こんなに発電しないのか!?」と思われるでしょう。でも、我が家の2013年年間発電電力量実績 6707 kWhに対して、日照データと工学的な経験式から推定される2013年の総発電量は 6262 kWhです(こちらのサイトを使わせて頂きました)。つまり、これでもこの地域の水準より発電しているほうなのです。
緑と赤の階段状の線は、それぞれ発電と消費の1ヶ月平均電力量です。
いかに冬場に消費電力量が大きいかがわかりますね。
この差の第1の原因は冷暖房です。どちらもヒートポンプによるのですが、夏は外気温最高35℃のときに室温は27℃くらいですから、温度差は最大8℃。それに対して、冬は下手をすると外気温-5℃くらいまで下がります(このあたりは、気候的に東北地方南部太平洋岸相当なのです!)から、室温を20℃に保つとして温度差は25℃もあります。この温度差で熱を逆流させるのですから、大変です。
もう一つの原因は温水器です。これもヒートポンプですが、外気温マイナスのところで水を45℃近くにまで暖めるわけですから、熱を運ぶために要する仕事はさらに大きくなります。
おかげで、12月~2月は大赤字になるわけです。
一方、一番黒字になるのが5月です。これは西日本ならたいていこうなるようです。
日射量が大きいにもかかわらず、梅雨もなく、台風や夕立も来ないからです。さらにもう一つ、気温が高すぎないこともプラスになります。
一般的な半導体では、温度上昇とともにバンドギャップが小さくなります。そんなの大したことないだろうと思われるかもしれませんが、結晶シリコンの場合、25℃に対して70℃では約2割も出力低下します。我が家のパネルは、結晶系ではなく薄膜シリコン系タンデムなので(残念ながら「有機」ではありません ^^)、元々バンドギャップが広いためにこの低下が少なめになります。さらに、「夏場のアニール効果」で効率が回復する現象が拮抗するため、あまり目立ちません。
さて、この収支を改善するには、暖房と給湯の効率をいかに上げるかです。
快適かつ現代的(というより未来志向)な生活を犠牲にしないことが前提ですから、冷暖房をケチるつもりはありません。
まず、ターゲットは給湯です。娘と家内には、冬場に頭を洗う日を間引けと言っているのですが....
今年の冬は、こっそり給湯温度を下げてみましょうか。
2014年2月28日金曜日
エコも継続が力
ここは、西国三十三所の巡礼地として、あるいは、眼病に御利益がある寺としても知られているだけでなく、ユニークな活動の数々でも知られています。実はもう一つ、太陽電池関係者に名が知れた寺でもあります。
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| こんなふうに、普通に歴史のある寺院で、右側の三重塔は、再建されているとはいえ築520年ほど経た歴史的建造物です。 |
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| この塔をライトアップしている照明がこれです! 少し片鱗が見えてきましたね。このお寺は、ただ古いだけではないのです。よく見るとLED照明を取り入れていることがわかります。 |
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| このお寺の数ある特徴の一つで、シルクロードの終着点であることを意識してか、インドとの交流を盛んに行っていて、インドで製作された石像や石の建造物を次々と増やしています。これは、全長50mにもなる石に刻まれた「釈迦一代記」です。 |
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| これを照らす照明も、もちろんLEDです! |
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| これもインドで製作されたという全長20mもある観音像ですが、ここが今回の訪問の最大の目的地でした。といっても、観音像自体は極めて普通の昭和に作られたものなので、これなら120mもある牛久大仏のほうが巨大さで物珍しいのですが... |
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| この観音像をライトアップする照明は、さすがにLEDではパワー不足なのか、昔ながらのハロゲン灯(たぶん)です。 しかし、有名なのはこれではなく、これを点灯させるための電源です。 |
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| これです! このパネルで発電した電力をバッテリーに蓄えて、観音像のライトアップを行っているそうです。なんと30年以上前に設置されたソーラーパネルで、国内で稼働している中でも最古級と言われています。当時の住職が「観音様を照らすには自然のエネルギーを使いたい」と考えて、太陽光発電を採用したそうです。先見の明ですね。 ”高取町壷阪の壷阪寺(常盤勝範住職)で夜間、高さ20メートルの大観音石像を照らすライト。その電源に使われている太陽光発電装置が、民間用では国内でも最古級の実証例として研究機関などから注目を集めている。”(奈良新聞の記事より転載) そう、これは、国内で最も長く続いているフィールドテストとも言えます。シャープのパンフレットにも、長期信頼性の証として掲載されています。 |
2013年12月17日火曜日
「パナソニック、国内新卒の採用倍増」
パナソニックが、2015年春に入社する国内新卒者の採用を倍増させる。すでに内定済みの来春入社は350人だが、翌春は700人にする。プラズマテレビ撤退などのリストラに一区切りついたため。大胆な発想を求め、新たに「型破り選考」も導入する。
だそうです。
久々にエレクトロニクス産業関連の明るいニュースですね。
ただし、大幅増というのは大幅減があった後だからです。
最近、某小説によって私のような素人にも有名になったピーター・ドラッカーという経営学者がいますが、彼の著書に「企業とは何か」(Concept of the Corporation、1946年)という本があります。高度成長期の日本企業の経営にも大きな影響を与えた人であり、古典的名著ですが、時代が変わり経営の表層的な道具が変わっても、この本に書かれた社会における企業の役割や意義づけは変わっていないと信じています。
大企業には、短期的利益のみを求める最近の株主的発想から離れて、社会を構成する器官としての役割を自覚し、調子悪いとすぐに採用を減らすということをやらないようにしてほしいですね。
2013年11月9日土曜日
Super Typhoon Haiyan
2012年6月17日日曜日
住宅はどこまで進化できるか?
今度の家は、いろいろ個人的な実験も兼ねています。テーマは、21世紀の文明的な暮らしを、いかに持続・発展させるかです。
まず、高気密・高断熱・熱交換換気で、どこまで効果的に冷暖房できるかを課題としてます。
前任地で家族と住んでいた家と比べると格段に保温性能が上がっているので、最高気温30℃くらいまでで湿度さえ高くなければ、朝まで極軽く1階を冷房しておくだけでその日の夜までエアコンを切っておいても十分快適です。
夏と冬の調湿をいかに効果的にするかを、今後いろいろ試したいと思います。
経験的に、冬の加湿は室内に確保した洗濯物干し場でかなり補えるはずです。
冷暖房も含めて、電気をフル活用しつつ、いかに電力消費のセーブとピークカットに貢献できるかが、最大の課題です。
冷暖房は高気密・高断熱・熱交換換気で効率を上げるとして、照明は今回これでもかというくらいLEDと蛍光灯化しました。今のところ両者の効率に大きな差は無いので、適材適所で両方使っています。
エントランスまわりはは基本的に全てLEDです。人感センサも活用して、人がいるときだけ十分な明るさになるようにしています。庭のLED照明は、太陽電池で自立しています。
屋内も、半分くらいはLED、残りもほぼ蛍光灯です。まだ以前から使っている照明器具の一部に電球の常夜灯などが残っていますが、近いうちに白熱電球は完全に駆逐するつもりです。また、消し忘れが出やすいところは、なるべく人感センサを付けています。
関西圏では、年間電力消費のピークは夏の昼間です。このピークカットに貢献するのは、なんといっても太陽電池です。
いまのところ晴天時の正午前後は5kW近く発電していますが、薄曇りでまったく青空が見えない日でもお昼前後ならなんとか2kWくらいは発電しています。日中はなるべく電力を消費しないようになっているので、この大部分は周辺地域に提供されているはずです。
電力網は、まだスマートグリッド化されていないはずです。太陽光発電の普及とともに送電のスマートグリッド化が進めば、日中に住宅地から商業地へまとまった量の電力が供給できるようになるのではないでしょうか。
日射量の変動による発電量の短周期変動は、メガソーラーのような集中太陽光発電では大きな問題になるでしょうけど、各戸での分散太陽光発電なら変動がかなり平滑化されるでしょう。時間スケールの変動なら火力発電所や水力発電所の制御でなんとかなるはずです。
この2週間は、曇りの日が多かった上にエアコン除湿も結構使ったのですが、それでもこの期間の収支を見ると、消費電力量よりは自前で発電した電力量のほうが多くなりました。引っ越し前の5月後半は晴天が多かったので、その時期に普通に生活していたとしたら、その期間の発電量/消費量は200%程度になっていたはずです。
ちなみに、これでもお湯は電気で作っています。それも太陽熱でやるという手がありますが、太陽電池と場所を取り合いますから...
もったいないなと思うのは、お湯を作るためのヒートポンプと冷房/除湿のためのヒートポンプが独立していることです。これもスマートに連携できれば、夜間限定ですが部屋を冷やすために奪った熱でお湯を作れるのですけど、効率的に連携できる時期が限られるので難しいでしょうか?
このヒートポンプ類がくせ者で、首都圏の狭小住宅密集地で大型のものを使うと、近隣への騒音が問題になります。効率の点からは、電気による熱輸送の最適解なのでしょうけど、それが使えない場合のために、ペルチェ素子が格段に高効率になると良いのですが...
窓ガラスには熱線反射フィルムが貼られていますが、同じように可視光透明だけれども紫外光と赤外光によって発電するフィルムがあれば、窓の多い建物ではそこそこの発電量が得られるのではないでしょうか。断熱性が犠牲になる可能性が高いので、総合的にどちらがエネルギー収支に貢献するかが課題です。
排熱を使った発電も、同じく断熱性との相反が問題になるでしょう。エネルギー問題の解決は一筋縄ではいきませんね。
なお、昨年関東で輪番停電を体験して懲りたので、ノートPCだけでなくデスクスタンドも停電時4時間くらいはバッテリー動作するようにしています。もちろん、太陽電池の自立運転で、日中1部屋だけならそこそこ電気を使って生活ができるようになっています。断熱エリア外の部屋もあるので、そこでキャンプ用コンロを使えば、数時間の停電がお昼時に来てもなんとかなるかと思います。
でも、実験室が止まるのが痛いですね。
2011年12月5日月曜日
ボストン定点観察
数えてみると、最近10年間で7回参加していましたので、ほぼ毎年のように年末のボストンを訪れていることになります。
そこで、21世紀初頭の10年間にボストンの街およびMRS Meetingに生じた変化を、独断ではありますが書き連ねてみたいと思います。
・ボストン市内で日本車が増えた
もちろんカリフォルニアあたりに行けば80年代から日本車だらけですが、東部大都市の都心部では2000年ごろにはそれほど多くは見かけませんでした。特にタクシーなんてアメリカ車ばかりだったのですが、ここ最近になってタクシーが急激にトヨタ車に変わってきています。しかもハイブリッドです。
今日乗ったタクシーの運転手ともその点を話したのですが、以前のフォードと比べて一日走り回った後のガソリン代が20ドルくらい安くなったそうです。
ホテルの前に乗り付けるちょっとリッチそうな人たちの自家用車も、メルセデスやBMWはほとんど見かけず、レクサスか日産が多かったです。
これだけ目立つと、この前のトヨタバッシングのようなものを仕掛けよう(あるいは敢えて黙認しよう)と思う人がいても不思議じゃないですね。
・貧困状態の人が増えた
以前はダウンタウンをうろちょろしていてもあからさまに物乞いしている人はそれほど見かけませんでしたが、今年は会場近辺だけで2人も見ました。しかも一人はホテルの前でやって、ガードマンに追い出されていました。さらに、これもホテルの前で、社会保障関係で抗議してるデモ隊までいました。こういうデモに出くわしたのは、ボストンでは初めてです。
世界的に普通の人々の敵となっている(と私は思っています)アメリカ式新自由主義経済のせいで、足下までやばいことになってきているのではないでしょうか。
・携帯電話の変遷
10年ほど前のボストンでは、通話とSMSのみの小柄な携帯が主流でした。MRS会場の近辺で見る限り、2000年代前半のうちにブラックベリーなどのスマートフォンに変わり、次にみんなこぞってiPhoneに、今はそれに様々なアンドロイドフォンが加わってバリエーションが増えてきたという感じです。アメリカのビジネスマンは日本人よりはるかにガジェットについて新しもの好きですね。それにあわせて、ショッピングセンター通路のスタンドで売っているケースも売れ筋が変わってきています。MRSの会場がボストンのビジネスエリアなので、特にはやり廃りが速いのでしょうね。
・どこでもインターネット
これはボストンに限ったわけではありませんが、町中や乗り物の中などWiFiが使える場所がかなり増えました。
例えば、この記事を投稿しようと思ってブログを開けたのは、ボストンからデトロイトへ向かう上空です。書き始めたらかなり長文になったので、空中から更新はできませんでしたが...
まだ日本国内でWiFiが使える路線はないですよね。(自信はない)
・MRS Fall Meetingで日本人参加者が減った
10年くらい前だと、日米合同会議かと思うほど日本人参加者を沢山見かけたのですが、今年は特に少なかったです。
知り合いの日本人となぜだろうと話していたのですが、さすがに確かなところは言えません。おそらく、(1)次の春に応物との合同セッションがあるからそちらに流れた、(2)震災後に科学研究費補助金の交付が30%カット(その後結局復活しましたが)されたので、申し込み段階で参加する人数を絞った、(3)そもそも6月の参加申し込み時に震災後の対応でそれどころではなかった、のいずれかあるいは複数の理由によるのではないかと思っています。
ただし、企業の人はここ数年皆無といってよい状態になってきています。これも大問題。MRSは比較的実用化まで近い技術の発表が多いのに。
・Poster Awardに韓国からの発表が多く選ばれるようになった
もちろん、韓国からの参加者が非常に多い(特にPoster Awardの対象になる若い人の参加は明らかに韓国>日本でした)ということもあると思いますが、研究の平均レベルもすごく高くなってきていると思います。また、国や企業が大きな予算を出している研究も多く見られます。我々有機エレクトロニクス関連分野でも、基礎はともかくOLEDやRFIDタグなどの実用化研究は明らかに韓国に押されています。
なお、偶然ですが、この文章ここまでタイプしたときにランダムプレイ中のiPodから流れてきたのは'Boston'の名曲、More Than a Feelingでした。
… So many people have come and gone, their faces fade as the years go by …
2011年9月10日土曜日
Go west!
ちなみに、3〜7月合計の「転入者−転出者」の数は9995人。
このうち5人が当研究室です。これは震災とは関係ないんですが...
2011年4月4日月曜日
電力東西貿易
すでにあちこちで報道されているように周波数問題があるので、中部電力や関西電力からは微々たる量しか融通できません。周波数変換設備を増設しようにも、巨大な光トリガサイリスタを急には増産できません。(そもそも工場が被災しているらしい。)
この問題に限らず、日本では電源開発予算の大部分を原子力につぎ込んできたおかげで、ヨーロッパ各国(フランスを除く)と比較して自然エネルギーの利用率が低いままです。これも将来的になんとかすべきでしょう。
そこで提言。
巨額の原子力予算を、原発の後片付けのための予算を残して削減し、それを自然エネルギーの研究・開発と普及のために使いましょう!(当研究室でも太陽電池の研究を前倒しで再開しようと考えています。)
今すぐできることとして、太陽電池パネルを増産(特に西日本)して国の予算で買い上げて、東日本の事業所や一般家庭に次々と設置していきましょう!
太陽電池は発電方式としては安定性に欠けますが、最も電力が必要な夏の昼間に最も電力を供給できます。これによって、数年は続くと予想される東京電力の夏の電力不足が少しでも解消します。
太陽電池は一般にエネルギーペイバックタイムが長いのが省エネ的には難点ですが、西日本で作って東日本に設置すれば周波数変換設備で西から東に電力を送るより効率的にエネルギーを「輸出」できます。
もちろん、これを機会に東京一極集中を緩和してゆくことも必要ですね。
MN
2011年3月22日火曜日
What you can do
Ask not what your country can do for you; ask what you can do for your country.
私ができることは、最低限自分と家族の身は自分の責任で守ること、その上で、できるかぎり研究と教育を継続することです。
NM
2011年2月13日日曜日
閉塞感はどこから来るか?
ここらで、「平成維新」とも言うべき大改革をやらなければならないのではないかとすら思います。
衆議院議事録の第156回国会 国会等の移転に関する特別委員会 第4号に、経済企画庁長官も勤めたことのある堺屋太一さんの有名な参考人意見の議事録があります。ちょうど8年前の委員会です。ここに、私も前々から感じていることのかなりの部分が、私よりはるかにすっきりとした頭で消化した上で述べられています。つたない文章を自分で書くより、これを読んでもらったほうがよほど解りやすいので、私の無駄なコメント無しに、転載させていただきます。
MN
(ここから堺屋太一さんの発言)
首都機能移転の問題につきましては、私、二十年ぐらい研究をしてまいりまして、十年ほど前に、この移転に関する法律案も作成していただきました。ところが、その趣旨が徐々に変わってまいりました。
そもそも、この首都機能の移転は、日本の経済、社会、文化の各面を抜本的に変更しようという大国家事業として考えられました。
戦後、日本は、規格大量生産型の近代工業社会の確立を目指して、官僚主導、建設優先、東京集中の体制をとってまいりました。この結果、八〇年代には、日本は世界一規格大量生産の上手な国になり、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われたこともございます。しかし、その八〇年代のうちに世界の文明が変革をいたしまして、多様な知恵の時代になってまいりました。それにふさわしいものに日本を改革しなければならない、そういった発想から、この首都機能移転の問題が不可欠であるという考え方が生まれてきたわけであります。この考え方は、現在の世界、日本の情勢に関して、全く正しいものだと考えております。
ところが、九〇年代も後半に入りまして、首都機能移転の問題が政府、審議会で議論されるようになりますと、場所の選び方と費用の問題に話題が集中いたしました。このために、話が徐々に、東京の過密防止と地震対策に矮小化されてまいりまして、公共事業の一種と理解されることが多くなりました。これが最大の問題、間違いの始まりであります。
このため、東京の過密防止ならば移転する人口が一定以上多くなけりゃいかない、大規模でなければならないという考え方が生まれてまいりました。
また、場所選びということから各地が立候補なさいまして、そのために地域運動と考えられるようになりました。これは、六〇年代、富士山のすそ野がいいとかいろいろ言われたときはまさに地域運動であったんですが、そこへ戻ってしまった。文明の変化に対応した事業ではなくなってまいりました。これに対して、東京の不動産業者及び東京で受注の多い建設業者が組織的な反対をし出したことは、むしろ当然であったと思います。
ここで重要なことは、首都機能の移転問題の本質に立ち返りまして、経済、社会の構造変革の国家的事業として正確な審議をお願いしたいということでございます。当委員会が新たに人数をふやし発足されましたことに、非常に期待しているところであります。
これから申し上げようと思うことの趣旨を、一言にしてまず最初に申し上げておきたいと思います。
東京一極集中は、一九九〇年以降の日本の経済が停滞し、社会が混迷しております重大な原因であります。これは、あらゆる検証で証明されているところであります。
知価社会が深まるにつれまして、諸外国では、政治と行政の中心と経済や文化の中核とが分離分散する方向にあります。その中で、日本だけが全機能を東京に一極集中して、規格大量生産型の構造の強化をしております。このために、多様な知識、知恵が創造されない。そして、迅速で安価な通信情報は発達しない。いつまでたっても対面情報、人に会わないと情報が交換できないという困った情勢になっております。
特に近年に至りまして、過去二十年余、地方分散、地方分権が熱心に唱えられてきましたが、現実には、官僚機構が非常に強力に東京一極集中の政策をとっておりますために、地方は空洞化いたしました。東京一極集中は自然に行われているのではなくして、後に述べますように、官僚の大変な努力によりまして起こっていることでございまして、日本特有の現象であります。
特に、九六年以降、経済、文化、情報発信、国際関係の一極集中が非常に急激になりまして、地方の経済、文化が危うくなるばかりか、日本の文化的多様、創造性というものが失われてまいりました。
したがいまして、通信情報社会の発達、これがこの十年間の大変な世界の流れでございますけれども、この世界の急速なグローバル化、情報化に対しまして、通信情報社会の迅速、公平、正確、透明、安価な情報交換が必要になっています。こういったことを日本も行わないと、日本飛ばし、日本の国際的な地位の低下が猛烈な勢いで進んでおります。
そこで、私がこれから提案したいのは、実は一番本音のところでございまして、立法、司法、政府の機能を三つに分割して移転するのが最良であるということでございます。
まず、国家の機能の中には、立法機能と、それに関係の深い行政府の政策の企画審議機能、これをA機能あるいは企画審議機能と申してもいいでしょう。そういうものと、第二番目に、行政機能のうちで、統計、調査及び基礎的な研究を行う機能、これをB機能または統計調査機能と呼べると思います。そして、司法と、それにかかわりの深い行政府の記録、保全の機能、保記機能、C機能との三種類の機能があります。
この三種類の機能をそれぞれ別個の場所に移転する。そのことによりまして日本の通信情報社会を徹底させるとともに、財政の抜本的な改革、文明の大幅な前進を期待したいところであります。また、そういたしますと、地震やテロに対する災害対応力も非常に高いものになると思います。
さらに、首都機能の移転のコストがよく問題になりますが、この方式でございますれば、総事業費大体三兆円、公的負担が一兆円前後ということになります。
これに対しまして、現在、東京にございます首都機能関係の行政財産の土地評価が四兆七千億円ございますから、これの二分の一を売っても二兆三千億円の収入があります。残り二分の一は東京の開発、安全のために使用するといたしまして、二兆四千億円。そのほかに、公務員宿舎の土地など約七千億円がございますが、そういったものを活用して東京を活性化していく。
そういたしますと、費用が一兆円少々、収入が二兆三千億円以上でございますから、財政には一兆三千億円以上の収入があります。
首都機能の移転は、まず、そういう移転による財政の収入が非常に高まる、これが第一であります。また、その後の運営費等、かなり細かい計算でございますが、財政の抜本的な改革の現実的な唯一の方法ではないかと考えております。
以上のように、首都機能の三機能分離移転はいろいろな効果があります。
まず、通信情報社会を形成して、日本の国を公平で迅速で安価で正確で、そういう情報社会に変えることができます。
二番目には、清潔な政治行政ができます。そもそも、日本の政治行政にさまざまな問題がありますのは、何よりも対面情報、つまり、人脈を通さないとなかなか情報が得られない。東京に出張してきて、あるいは東京に居住や本店を移しまして、常に官僚と顔を突き合わせていないと情報が得られない。この不公正さがもとでございます。これが完全になくなります。
また、多様な知価の創造が生まれます。いろいろな地域、いろいろな環境の中から新しい知価が創造される。東京一極集中によりまして頭脳機能が東京のごく狭い範囲に閉じ込められている、この状況が打ち破られまして、開放的なことになるでしょう。
そして、地方分権、地方分散が確実に実行されます。
また、災害対応力が非常に強まります。
そして、先ほど申しましたように財政が大幅に改善できます。
以上のことから、首都機能の移転は非常に必要かつ重要な仕事だと考えております。
さて、改めて首都機能の移転を申し上げますと、東京一極集中では、日本経済の復活、日本社会の復活はあり得ないだろう。これまで、平成になりましてから十五年間、十一人の総理大臣がいろいろな改革を宣言してまいられました。しかし、依然として十分なことはできておりません。それというのも、日本の社会というのが、東京一極集中、官僚主導、そして建設優先という日本の戦後の形に完全にはまり込んでいるからであります。
日本の歴史をひもときますと、あらゆる時代が首都機能の場所で呼ばれています。飛鳥時代、奈良時代、平安時代、鎌倉時代、室町時代、江戸時代、そして今、東京時代でありますが、この状況を見ますと、すべて、首都機能が移転したら必ず時代が変わった、首都機能を移転しない限り時代は変わらなかったことを示しています。
例えば、江戸から東京に移るとき、黒船がやってまいりましたのは、嘉永六年、一八五三年ですが、それから十年間は何の変化も起こっていないんです。安政の大獄等いろいろございましたけれども、行ったり来たり、むしろ保守化が進んだだけであります。
ところが、文久三年、一八六三年に、将軍家茂と、その後見役でありました後の十五代将軍慶喜が京都に移転します。それに伴って、諸大名、有力大名もことごとく京都に移転します。したがって、このとき首都機能は完全に京都に移転したんです。それからの五年間、明治元年までの五年間にすべての改革が行われました。
そして、改めて改革した明治維新政府が、東京と名を変えたもとの江戸の地に来たのでございまして、江戸で改革をしようとした間は全く成果が上がっておりません。同様に、今もなかなか改革の成果は上がっていないと言わざるを得ないと考えております。
次に、東京集中は自然に起こっているんだ、これは経済の流れであると言う人がおりますが、これは全く間違いでございます。
戦後、昭和十六年体制、あるいは一九四〇年体制と言われる中で、官僚が猛烈な勢いで東京一極集中を無理やり進めてまいりました。そのやり方というのは、まず、産業、経済の中枢管理機能を全部東京に移す。そのために、全国的な産業団体の事務局は東京都に置かなければならない、二十三区に置かなければならないという指導を徹底しました。
だから、もともと大阪にありました繊維業界の団体も、強引に、あの日米繊維交渉のときに無理やり東京に移しました。十年かけて移しました。名古屋にありました陶磁器工業会も移しました。京都にあった伝統産業振興会も東京に移しました。
かくして、主要な企業の本社は東京に移らざるを得ない。団体が東京に移りますと、団体の長になるような大企業の社長は、何々工業会の団体長になりますと週に三回ぐらい東京に呼び出される仕掛けになっていますから、地方に本社を置いていられない。これでどんどんと移転した。これが第一であります。
二番目は、情報発信機能を、世界じゅうで類例がなく、日本だけが東京一極集中いたしました。
例えば、印刷関係で申しますと、元売を東京一極に集中しております。今これがまた問題になっておりますけれども、東京にしか日販とかトーハンとかいう元売会社はございません。したがって、関西で出版していたエコノミストやPHPは発行が一日おくれる。大阪で印刷した本を川一つ挟んだ尼崎で売るためにも、必ず東京へ持ってこなけりゃならなくなっております。これは非常に強い犠牲でございます。したがって、雑誌の場合は締め切りが一日早くなる。これで東京以外で雑誌をつくることができなくなりまして、全部東京へ無理やり移しました。これは国土政策懇談会でも何回も問題になりましたが、政府、官僚の方は頑固に譲りません。香川県や長野県でも元売をつくろうという動きがありましたけれども、ことごとくつぶされてしまいました。
また、電波につきましては、世界に類例のないキー局システムをつくって、キー局は東京にしか許されていない。そして、キー局でないと全国番組編成権がございませんから、すべて東京都スルーの情報しか流れないようになっています。
さらに、文化創造活動も東京に集中いたしました。だから、特定目的の施設、例えば歌舞伎座でありますとか格闘技専門体育館でありますとかいうのは、補助金の関係で東京にしかつくれないようになっています。これで歌舞伎役者は全員東京に住むようになって、関西歌舞伎は一人もいなくなりました。あるいはプロレス団体も、東北地方にみちのくプロレス、大阪に大阪プロレスがあるだけで、四十団体はことごとく東京に集められました。
さらに、最近は、BS放送七局を全部東京にしか許可しないという制度になっています。
こういった官僚の強引な、コストを無視した集中制度によって東京に集まっている、このことも重要なことだと思っております。
したがいまして、日本全体が一律の情報環境になり、大量販売、規格大量生産には向いておりましたが、没個性、均質社会になった。対面情報を重視するために、人脈重視、選別的な官僚主導が行われるようになりました。また、文化創造活動も、もたれ合いの社会になって、世論が一色になってしまいました。こういったことは、新しい知価社会においては大変不利なことであります。このために日本の地位が、この十年間、世界じゅうが知価社会が進むに従って、猛烈な勢いで低下しています。
例えば国際競争力の順位、これはスイスの研究所が示しているものでありますが、八九年には世界一であったのが、今は三十位であります。また証券取引も、これは上場株式時価総額でございますが、六百十一兆円から二百四十八兆円に落ち、外国株の上場件数も、百三十件ぐらいありましたのが、今は四十件以下になってしまっている。日本の東京証券取引所はほとんど無視される状態です。
さらに、コンテナヤードの取扱高を見ても、八九年には神戸が五位、横浜が十二位でございましたが、今やずっと下の方になって、香港や釜山に比べて、日本じゅうのコンテナヤードを足しても及ばないというところまで落ち込んでしまいました。これは、ことごとく東京集中の結果であります。
さらに恐ろしいことは、九六年から東京集中が非常に激しくなっているということでございます。人口も、九六年ごろには首都圏への集中は一時とまりましたけれども、去年あたりはかつてないほどのすごい勢いで東京集中が進んでいます。わずか二年余り前、私がIT担当大臣のときに、地方のITソフト関係者で、有能な、有望な新人、若者を二百人ほどリストアップしましたが、たった二年の間に、そのほとんどが東京へ蝟集しています。猛烈な勢いで東京に集められている。だから、地方の空洞化は猛烈な勢いでまだまだ進んでいるということです。
この現象は、諸外国とは全く逆でございます。よく、日本だけではなしに、これは文明の流れであって、世界的にそうだろうと言う人がおりますが、七ページの表を見ていただきますとわかりますように、アメリカでもフランスでもロンドンでも首都の比重は低下しています。地方が盛んになって、首都圏の比重は低下しています。
これは、専ら日本が、無理やり官僚主導で首都に、東京に集めてきたことを示しているかと思います。このままで日本が進みますと、アルゼンチンの形を再現するのではないか、最近、国際的にもそういう評価が出てまいりました。
アルゼンチンはグラン・ブエノスアイレスという、国土面積で〇・一三%のところに人口、機能が集中しておりまして、特に地主階級、日本でいえば本社機能でございますが、これがそこにある。そして、農業をやっているところ、工場をやっているところには代理人、支店しか置いていない。このために、ブエノスアイレスに社交場ができまして、しょっちゅう顔を合わす対面情報になった。だから、これが非常に社会を固定いたしまして、どんどんと一律化し、現在では、だれが見ても発展途上国になりました。百年前、二十世紀の初めには、アルゼンチンは世界有数の豊かな国であります。「母を尋ねて三千里」という小説は、貧しいイタリアから豊かなアルゼンチンを目指す話なんですが、今は全く逆になっています。
それに比べてブラジルは、とかくの批判がありますけれども、ブラジリアをつくったおかげで、アルゼンチンよりもはるかに経済力が上になりました。この事実はやはり見逃せない点だと考えております。特に、これから申します私たちの発想では、財政的にも非常に有利でございますので、ぜひ考えていただきたいと思っています。
ところで、そのような東京一極集中はどこから起こっているか。
まず第一は、官僚主導でございます。十一ページの図を見ていただきますと、日本の官僚制度の正体について書いております。これは、日本では官僚が真ん中におりまして、国会の先生方と内閣を双方根回しする仕掛けになっています。イギリスは同じ議会内閣制でございますが、右の図のように内閣が真ん中にあって、官僚が内閣の注文にこたえて内閣に回答を出す、そして内閣が国会に責任を持つ、こういう形になっています。だから、内閣にはたくさんの閣外相が入っておりまして、日本でいう副大臣のような方々がたくさんおられまして、これに対応する。官僚が国会議員と直接接することは禁止されています。こういうようなことができておるので、官僚主導ができない、進まない。そのおかげで、今やロンドンにいる国家公務員は、十五万人から八万六千人まで減らすことができました。
さらに十三ページをごらんいただきますと、日本の官僚は、それだけではなしに、縦に貫かれた形になっています。つまり、先ほど申しましたA機能、立法とそれに関係の深い企画審議をする機能、それから調査統計をする機能、記録保全をする機能、全部同じ省に属しています。したがって、大蔵省からも経産省からも内閣府からも、いろいろなところから景気調査が来るとか、二重三重に統計のダブりがあったり記録のダブりがあったり、その逆に、どこに本当の統計があるのか、記録があるのか非常に探しにくい。今問題になっております住民の登録台帳にいたしましても各省別々、社会福祉あるいは納税、住民台帳、全部別々につくる。しかもそれが自治体まで貫かれておりまして、この人脈の中で情報が動く、こういう仕掛けになっています。これが最大の問題であります。
それで、これを、次の十五ページにございますように、一つの場所、第一の地区は、国会、内閣、そしてA機能、企画審議機能、それに伴う執行機関、これだけを移す。そして第二の地区には、調査統計機能、それに伴う執行、この部分を移します。これは人数では相当大きな部分、西ドイツがボンに残した機能とほとんど同じでございますが、これがかなり大きな部分を占めます。そして三番目の地区には、最高裁判所と権利関係、保全をしなければならない記録、こういった機能を移します。そして、この間を五ギガビット程度の情報機関で結びまして、だれでもアプローチできるような方法をとる。この間が通信情報で行き来しておりますと、政府部内、同じ省庁だけではなくして、どなたにでも接近できる、そういった、透明で、迅速で、公平で、安価な通信社会ができるだろうと考えています。
それで、どの程度の規模になるか。先ほどお金の話もちょっといたしましたので、そのことを十七ページで見ていただきたいと思います。
これで移転いたしますと、大体、政府関係者が二万五千人ほど移転いたします。東京に残る人が少しあります、国立劇場とか国立博物館とかいうのがございますので、少しありますが、大部分の方が移転されるとして、二万五千人であります。第一地区に移転する人は国会とA機能で約一万人、第二地区が一万人、第三地区が最高裁判所とC機能で五千人。このA機能の中には、大使館あるいは国事行事を行う施設が含まれることになります。それに準首都機能、マスコミの人とか報道機関、政党職員等を加えて出しまして、さらにサービス従業員を計算いたしますと、想定される人口は、第一地区が八万四千人、第二地区が六万八千人、第三地区が三万六千人、合計十八万八千人。当然のことながら、地元で雇用する職員がおります。これは、大体二千人プラス二〇%というのは非常に低く見た数字でございますが、そういたしますと、そこに新たに居住する人は十四万六千人でございます。
これらの数値をもとに、どの程度の規模のものになるかというのを計算いたしますと、十八ページにございますように、面積でいいますと、第一地区が六百ヘクタール、第二地区が四百ヘクタール、第三地区が二百ヘクタール。居住人口をそれぞれ出しておりますが、これで多摩ニュータウンなどよりはもう少し、大体同じぐらいの余裕を持つ場所にいたしますと、このような面積でいいわけです。
これが、審議会では、八千五百ヘクタールという途方もない大きな数字になっています。この数字になったのは、まず一カ所に出すということもありますけれども、とにかく東京の過密を和らげる目的だから大勢移さなきゃ意味がないというものが働いたわけです。
なお、十九ページには、これで幾らかかるかということでございますが、公的負担分は、この計算では一兆五百億円になっております。一兆五百億円でございます。これは、関西空港などに比べますと数分の一という大きさになりまして、建設事業としては非常に小さな規模でできます。この金額でございますと、恐らくこれよりもかなり下回る金額ででき上がるんじゃないか、万国博覧会その他の事業から見て。そのような計算ができると思っております。
こうしておきますと、過度に集中することはありません。よく、首都機能を移せばそこにまた民間企業が集まるだろうと言う人がございますけれども、通信情報社会が完成いたしますので、再び集中することがございません。また、これが国家の抜本的な改革になることは明らかであります。
まず第一に、財政が決定的に改革できます。重複行政が解消し、人員が減らせる。警備が簡略化できる。
あるいは、通信情報社会によりまして交通費が軽減できる。実は日本は、国土は狭いのですが、民間企業総交通費あるいは民間企業交際費総額は、GNP当たりで見ますと、アメリカやドイツよりも何倍も高いんですね。この状態が解消できると思います。
それから、建設国家という思想が崩れる。規格大量生産思想から脱却できる。
そして、先ほど申しましたように、国有地の売却等で、建設費を除いて一兆数千億円の収入が上げられる。
二番目には、官僚主導を完全に解消することができます。これでこそ初めて日本の改革が成り立つ。
過去、日本の歴史の中で何度も改革を行いました。平清盛の力を持ってしても、享保の改革にしても、全部失敗でありました。首都機能の移せない改革で成功した、進歩的改革は一度もございません。したがって、やはりこれが最終的な改革の問題になろうと思っています。
また、建設型から生活型への思想転換、例えば、貯蓄は良で消費は悪だとか、建設はいいけれども観光はいかぬとか、そういった思想も抜本的に変わると思います。
何よりも重要なことは人心の一新でございまして、今まさに日本は非常に閉塞感に満ちあふれております。私も東京大学で講座を持っておりますけれども、若い人の未来に対する、日本に対する非常な悲観論が満ちあふれています。これを打破する一番確実な方法だろうと思っています。
ぜひこういうことをお考えいただきまして、当委員会が、この首都機能の移転の問題を正道に戻して、国家を改革する文明的、社会的、経済的大事業として、費用はかからないけれども大事な事業だとして、もう一度御審議いただき、本当に国家百年以上、国家数百年の大計をお立ていただくことをお願いしたいと思っております。
(引用ここまで)
なお、おまけ情報ですが、先日書いたThe World's Most Sustainable Companiesに入っている製造業について、中心的な拠点の所在地を並べると、大まかにこんな具合になります。
14位 日東電工(本社:大阪市、国内主要拠点:大阪府茨木市、宮城県大崎市、埼玉県深谷市、愛知県豊橋市、三重県亀山市、滋賀県草津市、広島県尾道市)
30位 ソニー(本社:東京、国内主要拠点:東京、神奈川県厚木市、神奈川県藤沢市、宮城県多賀城市、他多数)
35位 三菱重工(本社:東京、横浜市、国内主要拠点:横浜市、長崎市、兵庫県高砂市、広島市、広島県三原市、横浜市、名古屋市)
59位 ヤマハ(本社:浜松市、国内主要拠点:静岡県掛川市、静岡県磐田市、浜松市、埼玉県ふじみ野市)
70位 コニカミノルタ(本社:東京、国内主要拠点:東京、東京都八王子市他、埼玉県狭山市、神奈川県厚木市、山梨県甲府市、大阪市、堺市、大阪府高槻市他、兵庫県伊丹市、他)
71位 リコー(本社:東京、国内主要拠点:神奈川県海老名市、茨城県ひたちなか市、大阪府池田市、横浜市、宮城県名取市、他)
72位 東京エレクトロン(本社:東京、国内主要拠点:子会社化したところが全国に散らばっているので省略)
74位 大正製薬(本社:東京、国内主要拠点:さいたま市、埼玉県羽生市、岡山県勝田郡勝央町)
79位 NEC(本社:東京、国内主要拠点:東京、川崎市、東京都府中市、神奈川県相模原市、千葉県我孫子市、奈良県生駒市、大津市、他)
80位 パナソニック(本社:大阪府門真市、国内主要拠点:大阪府門真市、大阪府守口市、横浜市、京都府長岡京市、滋賀県草津市、大阪府高槻市、他多数)
82位 日産自動車(本社:横浜市、国内主要拠点:神奈川県横須賀市、神奈川県厚木市、横浜市、他多数)
82位 トヨタ自動車(本社:愛知県豊田市、国内主要拠点:静岡県裾野市、名古屋市、愛知県愛知郡長久手町、他)
メーカー関連では、東京一極集中はそれほど酷くないですが、それでも社史のどこかの段階で本社を東京に移さざるを得なくなった企業は多いようです。
2011年2月4日金曜日
The World's Most Sustainable Companies
The World's Most Sustainable Companies
毎年更新されていると思いますが、世界の大企業の「持続性」のランキングです。何をもってポイントにしているのかは、元記事を辿ってみて下さい。
Forbesの記事ではありますが、ランキングを出しているのはカナダの企業のようです。
例によって、日本企業だけ抜き出してみます。
14 NITTO DENKO CORP*
23 AEON CO LTD
24 T&D HOLDINGS INC
30 SONY CORP*
32 MITSUI OSK LINES LTD
35 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES*
49 TOKYO GAS CO LTD
53 DAIWA HOUSE INDUSTRY CO LTD
54 NIPPON YUSEN
59 YAMAHA CORP*
69 NTT DOCOMO
70 KONICA MINOLTA INC*
71 RICOH CO LTD*
72 TOKYO ELECTRON LTD*
74 TAISHO PHARMACEUTICAL CO LTD*
79 NEC CORP*
80 PANASONIC CORP*
81 NISSAN MOTOR CO LTD*
82 TOYOTA MOTOR CORP*
ベスト100の中に日本企業は19社。これは国別では最大です。実態のあやしいGDP規模では以前より存在感が薄れつつある日本経済ですが、虚業では無い部分にこそ底力があります。特に、日東電工はさすがですね。BtoBのおつきあいでしたが、私の昔からのお気に入りの会社のひとつです。
大小合わせて息の長い企業が多いのが日本の特徴ですから、この良さを失わないようにしてほしいですね。
なお、「*」印は製造業に分類される会社です。19社中12社が製造業です。
製造業ガンバレ!
MN














