書き込みの順序が前後しましたが、3月21日に、Humboldt-Universität zu Berlin の Prof. Dr. Norbert Koch が物理学会での招待講演のために来日したのに合わせて千葉大に立ち寄られました。Koch先生とは、Princeton大にいたころから、かれこれ10年近いつきあいです。
今回の滞在は、応用物理学会および物理学会にオーバーラップしていましたので、特に学内での行事はありませんでしたが、離日前夜、Koch先生と石井先生と私で、ディナーに出かけました。(写真は海鮮料理を食べるKoch先生)
今年こそ、是非ベルリンに立ち寄ってみたいと思います。
MN
2010年3月28日日曜日
2010年3月23日火曜日
3Dムービー
子供といっしょに3Dの映画を見てきました。
その名もスパイアニマルGフォース!実写+CGのディズニー映画です。
ストーリーについては触れませんが、ここでは3Dについて語ろうかと思います。
今、家電業界でも盛り上がっている3Dですが、そのドライビングフォースの一つがアメリカのコンテンツ産業ですね。アバターを初めとして、3Dを売りにした映画もどんどん増えています。
映画でもテレビでも、平面のスクリーンで立体視させるには右目用と左目用の視差をつけた2つの画像を用意します。
それを片目ずつで見せるやり方について、大きく分けて四種類の方法があるようです。
1.時間で分割する(アクティブシャッター方式)
2.波長で分割する(分光方式)
3.偏光で分割する(偏光フィルター方式)
4.幾何光学的に分割する(視差バリア方式)
1はXpanDで使われている方法で、右目用の画像と左目用の画像を高速で交互に切り替えます。画面とシンクロする仕組みを使って(映画館では赤外線で信号を送っているようです)、メガネに内蔵された回路で左右交互に液晶シャッターを開閉して切り替えます。映画館の設備投資が安く済むというメリットがあるそうです。今発売している3Dテレビも、すべてこの方式だと思います。
2はRealDで使われている方法で、右目用映像と左目用映像を右螺と左螺の円偏光で表示し、円偏光フィルターの付いたメガネで見る方法です。IMAX3Dという方式では、円偏光のかわりに直線偏光で分けているようです。
いずれも、メガネが安いので、使い捨てにしやすいというメリットがあります。
3は最も古典的な青と赤のセロファンを貼ったメガネを使うやつが有名ですが、今はもっと洗練されています。Dolby 3Dがこの方式で、可視光を連続的に使わず、比較的ピーク幅の狭いR、G、Bに分割して色を再現します。さらに、それぞれについて、右目用と左目用の波長を少しずらしておき、精密な干渉フィルターを使ったメガネで、片方の画像しか見えないようにするそうです。色再現性が良いのと、メガネを軽くできるのがメリットです。
4は映画では使われていません。シャープが特殊な用途のために開発したものです。小型ディスプレイ用の方式で、特定の距離で画面を見たときに、右目と左目で見える画素が異なるようになっています。
今日見た映画はDolby 3D方式だったのですが、思ったより顔の角度による影響はなく、見やすかったです。ただし、左右で微妙に色が違うので、それが不自然にならないような絵作りが必要だと思いました。
面白かったのは、このメガネを掛けると、白熱灯とLEDの区別が容易に付くことです。白熱灯のような連続スペクトルだと左右でほぼ同じ色に見えるのですが、LEDのようにスペクトルに特徴があると左右で色がかなり異なります。家庭で使うと気持ち悪いことになりそうですね。
アクティブシャッター方式で言われているような、長時間掛けていると重さが辛いということはなかったです。軽めのサングラス程度の重さでしたから。
では、3D映像に魅力を感じたかというと....
はっきりいって、不要だと感じました。あくまで個人的な感想ですが、見る側に制約を強いるというデメリットを超えるメリットはないと思います。
人間が空間的な広がりを知覚(奥行き知覚というそうです)する過程は結構複雑で、そもそも2次元的なセンサーである網膜で捕らえた画像に対して脳内でいろいろな処理を行うことで遠近を知覚します。
その元になっている情報はこんなにあるそうです:
a)調節−水晶体のピントによる情報。約2m以内の奥行きに用いられる。
b)輻輳−両目の眼球運動による情報。約6メートル以内の奥行きに用いられる。
c)両眼視差−異なる視点から生じる両眼網膜上の差異のこと。
d)大小遠近法−移動による大きさの変化など。
e)線遠近法−絵画のテクニックとして有名。直線が遠方で一点に収束するような絵。
f)大気遠近法−遠くのものが霞むことによるもの。
g)重なり合い−本来の全体像が重なっていることで隠れている物が遠くにあると判断。
h)陰影−下に影があると凸に見え、上に影があると凹に見えるなど。
i)きめの勾配−アスファルトの凹凸など「きめ」の密度が徐々に変化していることを遠近や勾配として知覚。
このうち、d)〜i)は従来の2D映像でも表現可能な情報です。特に映画やテレビでは、カメラを平行にあるいは円周上で移動させることによって、d)やg)を強調して奥行き感を出す方法もよく使われます。また、あえて被写界深度を浅くすることで、擬似的にa)を感じさせるというテクニックも使います。
3D映像ではこれにc)が加わりますが、まだa)やb)の情報は無いですから、特にこちらに飛び出すような映像のときに不自然さが残ります。また、こちらが頭を横に動かしてもあちらは反応してくれないのも不自然です。
より「リアル」に近くなるのに少し妙という感覚が生じるので気持ち悪さを感じる人もいるでしょう。
ヒューマノイドロボットなどでよく言われる「不気味の谷現象」ですね。
MN
追記:
元々自然な映像である必要の無いゲームなら、3Dを活かすソフト次第で魅力が増すと思います。ゲームなら、特に3Dでなくとも画面を正面から注視しますから、改めて姿勢を正して見るわけでもないですし。
ただし、せっかくオールリアルタイムCGの画面を3Dに変換するなら、テレビのような「受動的3D」ではなく、加速度センサ付きのヘッドマウントディスプレイで、頭の動きに画面が追随する「能動的3D」のほうが良いですね。
その名もスパイアニマルGフォース!実写+CGのディズニー映画です。
ストーリーについては触れませんが、ここでは3Dについて語ろうかと思います。
今、家電業界でも盛り上がっている3Dですが、そのドライビングフォースの一つがアメリカのコンテンツ産業ですね。アバターを初めとして、3Dを売りにした映画もどんどん増えています。
映画でもテレビでも、平面のスクリーンで立体視させるには右目用と左目用の視差をつけた2つの画像を用意します。
それを片目ずつで見せるやり方について、大きく分けて四種類の方法があるようです。
1.時間で分割する(アクティブシャッター方式)
2.波長で分割する(分光方式)
3.偏光で分割する(偏光フィルター方式)
4.幾何光学的に分割する(視差バリア方式)
1はXpanDで使われている方法で、右目用の画像と左目用の画像を高速で交互に切り替えます。画面とシンクロする仕組みを使って(映画館では赤外線で信号を送っているようです)、メガネに内蔵された回路で左右交互に液晶シャッターを開閉して切り替えます。映画館の設備投資が安く済むというメリットがあるそうです。今発売している3Dテレビも、すべてこの方式だと思います。
2はRealDで使われている方法で、右目用映像と左目用映像を右螺と左螺の円偏光で表示し、円偏光フィルターの付いたメガネで見る方法です。IMAX3Dという方式では、円偏光のかわりに直線偏光で分けているようです。
いずれも、メガネが安いので、使い捨てにしやすいというメリットがあります。
3は最も古典的な青と赤のセロファンを貼ったメガネを使うやつが有名ですが、今はもっと洗練されています。Dolby 3Dがこの方式で、可視光を連続的に使わず、比較的ピーク幅の狭いR、G、Bに分割して色を再現します。さらに、それぞれについて、右目用と左目用の波長を少しずらしておき、精密な干渉フィルターを使ったメガネで、片方の画像しか見えないようにするそうです。色再現性が良いのと、メガネを軽くできるのがメリットです。
4は映画では使われていません。シャープが特殊な用途のために開発したものです。小型ディスプレイ用の方式で、特定の距離で画面を見たときに、右目と左目で見える画素が異なるようになっています。
今日見た映画はDolby 3D方式だったのですが、思ったより顔の角度による影響はなく、見やすかったです。ただし、左右で微妙に色が違うので、それが不自然にならないような絵作りが必要だと思いました。
面白かったのは、このメガネを掛けると、白熱灯とLEDの区別が容易に付くことです。白熱灯のような連続スペクトルだと左右でほぼ同じ色に見えるのですが、LEDのようにスペクトルに特徴があると左右で色がかなり異なります。家庭で使うと気持ち悪いことになりそうですね。
アクティブシャッター方式で言われているような、長時間掛けていると重さが辛いということはなかったです。軽めのサングラス程度の重さでしたから。
では、3D映像に魅力を感じたかというと....
はっきりいって、不要だと感じました。あくまで個人的な感想ですが、見る側に制約を強いるというデメリットを超えるメリットはないと思います。
人間が空間的な広がりを知覚(奥行き知覚というそうです)する過程は結構複雑で、そもそも2次元的なセンサーである網膜で捕らえた画像に対して脳内でいろいろな処理を行うことで遠近を知覚します。
その元になっている情報はこんなにあるそうです:
a)調節−水晶体のピントによる情報。約2m以内の奥行きに用いられる。
b)輻輳−両目の眼球運動による情報。約6メートル以内の奥行きに用いられる。
c)両眼視差−異なる視点から生じる両眼網膜上の差異のこと。
d)大小遠近法−移動による大きさの変化など。
e)線遠近法−絵画のテクニックとして有名。直線が遠方で一点に収束するような絵。
f)大気遠近法−遠くのものが霞むことによるもの。
g)重なり合い−本来の全体像が重なっていることで隠れている物が遠くにあると判断。
h)陰影−下に影があると凸に見え、上に影があると凹に見えるなど。
i)きめの勾配−アスファルトの凹凸など「きめ」の密度が徐々に変化していることを遠近や勾配として知覚。
このうち、d)〜i)は従来の2D映像でも表現可能な情報です。特に映画やテレビでは、カメラを平行にあるいは円周上で移動させることによって、d)やg)を強調して奥行き感を出す方法もよく使われます。また、あえて被写界深度を浅くすることで、擬似的にa)を感じさせるというテクニックも使います。
3D映像ではこれにc)が加わりますが、まだa)やb)の情報は無いですから、特にこちらに飛び出すような映像のときに不自然さが残ります。また、こちらが頭を横に動かしてもあちらは反応してくれないのも不自然です。
より「リアル」に近くなるのに少し妙という感覚が生じるので気持ち悪さを感じる人もいるでしょう。
ヒューマノイドロボットなどでよく言われる「不気味の谷現象」ですね。
MN
追記:
元々自然な映像である必要の無いゲームなら、3Dを活かすソフト次第で魅力が増すと思います。ゲームなら、特に3Dでなくとも画面を正面から注視しますから、改めて姿勢を正して見るわけでもないですし。
ただし、せっかくオールリアルタイムCGの画面を3Dに変換するなら、テレビのような「受動的3D」ではなく、加速度センサ付きのヘッドマウントディスプレイで、頭の動きに画面が追随する「能動的3D」のほうが良いですね。
2010年2月16日火曜日
有機ELテレビ
今朝の新聞で、ソニーが有機ELテレビの国内販売を終了するというニュースが発表されていました。
「有機ELテレビ、3月で日本撤退」
このヘッドライン、少々センセーショナルに脚色していますね。海外では販売を続け、当然研究開発も続けるようです。
日本での販売を終了する理由として、
「昨年4月施行の有害サイト規制法に基づき、有害サイトの閲覧制限機能のないデジタル家電は今年4月以降出荷できなくなる。有機ELテレビには、その機能を付けていない」
と述べています。
一方で、ついにLGの有機ELテレビ(OLED TV)がアメリカでも販売されるようです。
当面、家電各社ともアメリカで始まった3Dブームに乗って儲けようと必死ですから、それが一段落してから本当の対決が始まるのでしょうね。
当のソニーも、先月のCESで24型3D有機ELディスプレイを展示しています。
それにしても、一般消費者が家庭で3D見るのかな?
MN
「有機ELテレビ、3月で日本撤退」
このヘッドライン、少々センセーショナルに脚色していますね。海外では販売を続け、当然研究開発も続けるようです。
日本での販売を終了する理由として、
「昨年4月施行の有害サイト規制法に基づき、有害サイトの閲覧制限機能のないデジタル家電は今年4月以降出荷できなくなる。有機ELテレビには、その機能を付けていない」
と述べています。
一方で、ついにLGの有機ELテレビ(OLED TV)がアメリカでも販売されるようです。
当面、家電各社ともアメリカで始まった3Dブームに乗って儲けようと必死ですから、それが一段落してから本当の対決が始まるのでしょうね。
当のソニーも、先月のCESで24型3D有機ELディスプレイを展示しています。
それにしても、一般消費者が家庭で3D見るのかな?
MN
2010年2月15日月曜日
将来の夢はありますか?
2月14日の朝日新聞に川上未映子さんのインタビュー記事が掲載されていました。
川上未映子さんってのは、高校はデザイン科で、シンガーとしてプロデビューし、突如として詩を出したかと思うと小説家として芥川賞を取ったマルチな人です。それに飽きたらず、最近キネマ旬報新人女優賞も受賞しています。
記事のテーマを端的に表す彼女の語りを二カ所引用させてもらいます。
「子供のころから今まで、こういう人になりたいとか、何になりたいとか、まったくなかったです」
「(前略)自分が特別でもなんでもない、ただの労働力としての存在にすぎないということを知らされます。そこから、自分ができることはなにか、ということが立ち上がってくるのではないでしょうか」
まったくもって同感なので、さらには、ちょうど修士院生の人たちが就職活動をしている最中でもあるので、自分の過去を晒しながら「将来」なんてものは結構そんなもんだということを書いて見ようと思いました。このブログでは自分自身のことはなるべく書かないようにしているんですけど、今回は例外。
いきなり結論めいた文から入りますが、どうも幼少時まで遡ってみると、私もずっと「おくりだすひと」になりたかったらしい。
でも、川上さんとは才能の居場所が(量も?)違ったようで...まあ、紆余曲折をほとんど全部書いてみます。
そろそろ色気づいてくる小学校の高学年ごろ、やや大人向けの小説などに興味を持ち出すと同時に、友人に影響されて、SF系ではありますが短編小説やショートショートを書くのにハマりました。ごく短期間マンガも書いてみたけど、これは、自分には壊滅的に絵心が無いことを思い知らされただけですぐ退散しました。小説のほうも、小ネタは良いのですが、残念ながら長文になると書いている最中に飽きるので断念。
どうやらこのころから、何かに興味を持つと、すぐさま「うけとるひと」ではなく「おくりだすひと」になりたがる習性が始まったようではあります。
中学校のころ、当時流行った電子工作やらBCL(30代以下の人は知らないでしょ?)やらラジコンカーやらにも手を出しましたが、ちょうどロックやポップスにハマる頃でもあり、ギターを持って歌い始めました。友人と一緒にフォークだかロックだか判らない怪しいバンドを始め、文化祭でステージに立ったり、コンテストなんかにも出たりしてみたんですが、その結果、どうやらボーカルの素質が無いと思うに至り、これもいったん終了しました。
何の変哲もない公立進学校に漫然と行っていた高校生のころ、電子音楽にハマってシンセサイザーをいじってみたり、自転車にちょびっとだけハマって山の上の高校までの最短タイムを出すべく連日もがいて、ぐったりした挙げ句一時間目を棒に振ったりしていましたが、このときに一番ハマったのはコンピューターのプログラミングでした。ちょうど、貧相ながらグラフィックが扱えるPCが出だしたころで、コンピューターショップに入り浸りでゲームのプログラムを書いたり、某PC雑誌のコンテストに応募したりしていました。このとき磨いた腕は、大学に入ってから勤務時間の自由がきくアルバイトとして活かされたので、数少ない短期的な実益が伴った努力でした。
将来ソニーに入ろうと思って数学も物理も嫌いなのに電子系に進んだ大学学部時代、再び音楽に振り子が振れて、友人とバンドを組みキーボーディストのまねごとをしたりしました。ご心配なく。ボーカルの素質皆無なのはすでに悟っているので、歌いませんでしたよ。その友人ってのが結構才能のあるやつでオリジナル曲を次々生み出すので、それらをひっさげてライブをやったり、コンテストやオーディション、果てはラジオの公開番組で演奏するなんて、今考えると恥ずかしいことを体験させてもらいました。でも、うまいヤツ、才能のあるヤツが掃いて捨てるほどいるんですよ、あの世界には。
同時期に、オートバイが第一番目の趣味の地位を占めるに至ったのですが、これだけは未だに趣味として続いています。修理や改造するのも、速さを追求して乗るのも、ノンビリ旅をするのも、何をしても楽しかったですね。もちろん、オートバイが夜でもいじれるように、下宿は広い玄関のあるボロ屋を選びました。このころから一番好きなことは仕事に絡めないと決めていたので、就職を考えるときもオートバイメーカーや自動車メーカーは除外しました。
さて、いよいよ大学四年生になって、進学せずに就職しようかと考えていた(実際、某楽器メーカーの入社試験も受けた)のですが、卒研を始めたとたんに研究にハマってしまいました。「こんなところに自分のやりたいことがあった!」って思ったのです。何しろ、誰も知らなかったことを明らかにしたり、誰もなし得なかったものを実現したりできるのですから。しかも、その結果を世界に向けて発信したり、みんな(といっても大抵は同業者ですが)の前で発表できるのですから、これも「おくりだすひと」です。
あわてて最低限の専門科目を勉強し直して院試を受け進学し、寝る間も削って(でも食事とデートの時間は削らずに)研究に没頭しました。修士二年間の成果は、筆頭こそ1本ですが論文3本になりました。ところが、修士二年になってなぜだか分析技術者になりたいと思い、化学系メーカーの受託分析部門に就職しました。なぜだかってのは乱暴ですね。ちゃんとあちこちの会社見学に行って、いろんな人の話を聞いた上で考えた結論です。分析屋ってのは研究開発の舞台では裏方ですが、いろんな会社の研究開発担当の人たちと面白い仕事ができる上に、最先端の分析機器を使いこなしますから、その範囲で好きな研究をしてその分野の第一人者として世間に対して発信もしやすいのです。
ただ、如何せん、そういうところに長年いて年を取ってくると、どうしても売上げ管理が仕事に占める比重が高まってきます。「かねをかぞえるひと」になってくるのです。
そこで30代半ばに方針変更した結果、現在に至るというわけです。
大学所属の研究者ってのが予想以上に「かねをあつめるひと」だったのには面くらいましたが...
ここまで書いて、頭の中であれやこれやと勝手に思うのはいかに簡単で、それを人に読んでもらえる文章にするってのがいかに難しいかを改めて実感しました。よくエッセイをあちこちに書いている学者やミュージシャンがいますが、人に読ませる、さらには金を払ってまで読もうと思ってもらえる文章を作るってのは本当特殊な才能が必要なんだと思います。そっちを仕事に選ばなくってよかった...
もしあなたが「自分は何者か」とか「将来何になりたいか」を問われて困っているなら、まずは目の前にあるあれやこれやを片っ端から一所懸命やってみて下さい。あなたが何者かは、世間が決めてくれるはずです。
MN
2010年1月27日水曜日
ESPMI-Ⅴ 開催中
今、千葉大内で、The 5th edition of the international workshop on Electronic Structure and Processes at Molecular-Based Interfaces (ESPMI-Ⅴ)という国際ワークショップが開催されています。
名前のとおり、有機材料の特に界面における電子物性をメインテーマとする国際ワークショップで、今回はこのワークショップのキーマンであった今は亡き関先生(元名古屋大学教授)に追悼を捧げる会でもあります。中村も、20代後半に有機材料を触り始めたころから関先生にはいろいろアドバイスして頂いていたので、今回チェアマンを仰せつかり光栄でした。
当研究室からも何人か参加していますが、かなりハイレベルな話が続いていますので、院生の人はつらいでしょうか?食らい付いてでも今先端で何が議論されているかを学んで欲しいと思います。
MN
名前のとおり、有機材料の特に界面における電子物性をメインテーマとする国際ワークショップで、今回はこのワークショップのキーマンであった今は亡き関先生(元名古屋大学教授)に追悼を捧げる会でもあります。中村も、20代後半に有機材料を触り始めたころから関先生にはいろいろアドバイスして頂いていたので、今回チェアマンを仰せつかり光栄でした。
当研究室からも何人か参加していますが、かなりハイレベルな話が続いていますので、院生の人はつらいでしょうか?食らい付いてでも今先端で何が議論されているかを学んで欲しいと思います。
MN
2009年12月2日水曜日
2009 MRS in Boston
[火曜日]
毎年恒例、MRS Fall Meeting に参加しています。
今回は少々寂しく、当研究室からは中村と松原君のみです。
今回、出発の直前に携帯電話を最新モデルに替えたので、それで写真をいくつか撮りました。
右の写真は、Hynes convention centerのエントランスの一つで、おそらくこのミーティング最大の看板があるところです。ここで昼休みや午後のセッション修了後にうろちょろしていると、国内外の知り合いに出会います。
今日は、これから私の師匠と晩飯に出かけます。メインはロブスターかな?
MRSは応物学会などとは異なり、Chairの意向次第で毎回柔軟にセッション(シンポジウムという名称)が組み変わります。しかも、アメリカの科学技術予算は日本よりジャンルの流行り廃りが早いので、MRSにどんなセッションがあるかを見るだけでも、今アメリカでどんな分野に資金が出ているのかがよくわかります。
今回、当研究室に比較的関連がありそうなところでは、以下のシンポジウムがあります。
C: Large-Area Processing and Patterning for Optical, Photovoltaic, and Electronic Devices II
D: Organic Materials for Printable Thin-Film Electronic Devices
E: Advanced Materials for Half-Metallic and Organic Spintronics
H: ZnO and Related MaterialsI: III-Nitride Materials for Sensing, Energy Conversion, and Controlled Light-Matter Interactions
L: Large-Area Electronics from Carbon Nanotubes, Graphene, and Related Noncarbon Nanostructures
Q: Photovoltaic Materials and Manufacturing Issues IIR: Advanced Nanostructured Solar Cells
S: Organic Materials and Devices for Sustainable Energy Systems
Z: Energy Harvesting--From Fundamentals to Devices
OO: Dynamic Scanning Probes--Imaging, Characterization, and Manipulation
[木曜日]
随時報告すると言いながら、全く更新出来ませんでした。
というのも、火曜から風邪気味ではあったのですが、水曜についに熱が出てふらふらになり、ホテルの部屋で寝込んでしまったのです。
右は、倒れる直前にMRS Fall Meeting 常連日本人なら誰でも知っているという、怪しいラーメン屋に知り合いの人たちと行ったときの写真です。
おかげで、水曜夜の松原君の発表は見られず、写真もありません。
木曜朝になって、熱は少し引いてきたようですが、まだふらふらだったので、初めてアメリカで医者にかかるという経験をしました。風邪だかインフルだか判らないけど、直前にうちの子供も発症しているということでインフルの診断を頂き、リクエストでリレンザの処方をもらって近くの Walgreens へ薬をもらいに行きました。当然アメリカで有効な医療保険はありませんから、カード払いで計$400ほどの出費です。後で保険請求しなきゃ。
Cohen先生、朝早くから40分もの診療ありがとうございました。さすがに、黒沢映画について語れる世代ではなかったです、せっかく話題を振って頂いたのに申し訳ありません。
なんとか木曜昼までホテルで寝て過ごし、午後から自分の「有機薄膜のゼーベック係数評価」について発表のために会場へ。
幸い、倒れるまでに発表のスライドは一通り用意してあったのですが、いつもなら前日に話すことを整理しながら、発表時間に収まるように削っていく作業が出来ませんでした。おかげでトータル15分のところ発表だけで13分くらいになってしまったでしょうか?
座長の染谷先生は少々やきもきされていた模様。それでも、さらに5分くらい3件の質疑応答の時間を許して頂けました。
発表後も複数の人たちから声を掛けられ、皆さん言うには「うちでも試したんだかが、ゼーベック係数がうまく計れなかった」と。これ、AFMポテンショメトリのときと同じ反応です。AFMポテンショメトリも名だたる研究室何カ所もでチャレンジされたのは知っていますが、みなさんうまくいきませんでした。探針系も含めた入力容量の最小化をさぼっているからです。今回の有機ゼーベック測定もそう。2電極の温度と電極間電圧を同時に計るには、有機膜のような極めて高抵抗な試料の場合、2組計4本のワイヤーのうち少なくとも3つが超高インピーダンスで接続されていないといけません。でも、ケミストの方々はおろかフィジシストの人たちまで、電気計測をなめているからうまく行かないんですね。「☆アンプ」の勝利です。やっぱり、これ売り物にしましょうか? → 星くん
[金曜日]

金曜は、ボストンを後にして、ミネアポリスへ。C.D. Frisbie先生の研究室訪問です。前々から一度立ち寄りたいと思っていたのですが、今回うまくスケジュールが合わせられました。
とはいえ、体調はまだ十分回復していないので、訪問は短時間にしましたが、前々からFrisbie先生とディスカッションしていた件について、実際に担当しているPh.Dの学生さんたちと直接ディスカッションできて身のある訪問でした。
MN
毎年恒例、MRS Fall Meeting に参加しています。
今回は少々寂しく、当研究室からは中村と松原君のみです。
今回、出発の直前に携帯電話を最新モデルに替えたので、それで写真をいくつか撮りました。
右の写真は、Hynes convention centerのエントランスの一つで、おそらくこのミーティング最大の看板があるところです。ここで昼休みや午後のセッション修了後にうろちょろしていると、国内外の知り合いに出会います。
MRSは応物学会などとは異なり、Chairの意向次第で毎回柔軟にセッション(シンポジウムという名称)が組み変わります。しかも、アメリカの科学技術予算は日本よりジャンルの流行り廃りが早いので、MRSにどんなセッションがあるかを見るだけでも、今アメリカでどんな分野に資金が出ているのかがよくわかります。
今回、当研究室に比較的関連がありそうなところでは、以下のシンポジウムがあります。
C: Large-Area Processing and Patterning for Optical, Photovoltaic, and Electronic Devices II
D: Organic Materials for Printable Thin-Film Electronic Devices
E: Advanced Materials for Half-Metallic and Organic Spintronics
H: ZnO and Related MaterialsI: III-Nitride Materials for Sensing, Energy Conversion, and Controlled Light-Matter Interactions
L: Large-Area Electronics from Carbon Nanotubes, Graphene, and Related Noncarbon Nanostructures
Q: Photovoltaic Materials and Manufacturing Issues IIR: Advanced Nanostructured Solar Cells
S: Organic Materials and Devices for Sustainable Energy Systems
Z: Energy Harvesting--From Fundamentals to Devices
OO: Dynamic Scanning Probes--Imaging, Characterization, and Manipulation
[木曜日]
随時報告すると言いながら、全く更新出来ませんでした。
というのも、火曜から風邪気味ではあったのですが、水曜についに熱が出てふらふらになり、ホテルの部屋で寝込んでしまったのです。
右は、倒れる直前にMRS Fall Meeting 常連日本人なら誰でも知っているという、怪しいラーメン屋に知り合いの人たちと行ったときの写真です。
おかげで、水曜夜の松原君の発表は見られず、写真もありません。
木曜朝になって、熱は少し引いてきたようですが、まだふらふらだったので、初めてアメリカで医者にかかるという経験をしました。風邪だかインフルだか判らないけど、直前にうちの子供も発症しているということでインフルの診断を頂き、リクエストでリレンザの処方をもらって近くの Walgreens へ薬をもらいに行きました。当然アメリカで有効な医療保険はありませんから、カード払いで計$400ほどの出費です。後で保険請求しなきゃ。
Cohen先生、朝早くから40分もの診療ありがとうございました。さすがに、黒沢映画について語れる世代ではなかったです、せっかく話題を振って頂いたのに申し訳ありません。
なんとか木曜昼までホテルで寝て過ごし、午後から自分の「有機薄膜のゼーベック係数評価」について発表のために会場へ。
幸い、倒れるまでに発表のスライドは一通り用意してあったのですが、いつもなら前日に話すことを整理しながら、発表時間に収まるように削っていく作業が出来ませんでした。おかげでトータル15分のところ発表だけで13分くらいになってしまったでしょうか?
座長の染谷先生は少々やきもきされていた模様。それでも、さらに5分くらい3件の質疑応答の時間を許して頂けました。
発表後も複数の人たちから声を掛けられ、皆さん言うには「うちでも試したんだかが、ゼーベック係数がうまく計れなかった」と。これ、AFMポテンショメトリのときと同じ反応です。AFMポテンショメトリも名だたる研究室何カ所もでチャレンジされたのは知っていますが、みなさんうまくいきませんでした。探針系も含めた入力容量の最小化をさぼっているからです。今回の有機ゼーベック測定もそう。2電極の温度と電極間電圧を同時に計るには、有機膜のような極めて高抵抗な試料の場合、2組計4本のワイヤーのうち少なくとも3つが超高インピーダンスで接続されていないといけません。でも、ケミストの方々はおろかフィジシストの人たちまで、電気計測をなめているからうまく行かないんですね。「☆アンプ」の勝利です。やっぱり、これ売り物にしましょうか? → 星くん
[金曜日]
金曜は、ボストンを後にして、ミネアポリスへ。C.D. Frisbie先生の研究室訪問です。前々から一度立ち寄りたいと思っていたのですが、今回うまくスケジュールが合わせられました。
とはいえ、体調はまだ十分回復していないので、訪問は短時間にしましたが、前々からFrisbie先生とディスカッションしていた件について、実際に担当しているPh.Dの学生さんたちと直接ディスカッションできて身のある訪問でした。
MN
2009年11月1日日曜日
2009年10月30日金曜日
薄膜材料デバイス研究会第6回研究集会開催のお知らせ
いよいよ、薄膜材料デバイス研究会が来週月、火に開催されます。
今年は過去最大の発表件数となり、興味深い講演も数多くあります。
また、チュートリアルでは、「初心に返る」を目標に、この分野のニューカマーの人からベテランまで満足できる内容を用意しています。
研究室の学生の皆さんで発表を予定していない人も、是非参加して下さい。
テキスト「薄膜トランジスタ」の割引販売もあります。
ーーーーーーーーーーーーー
毎年秋に開催されている薄膜材料デバイス研究会の研究集会(詳細は下記)ですが、今年は11月2日、3日に京都で開催されます。
今回、中村が実行委員長を務めます。当研究室の学生の皆さんも、どんどん投稿して下さい。
特に学生の人たちにとっては、日頃聞けない話が聞ける勉強になる会議であるとともに、バンケット等で出される飲食費より支払う参加費のほうが安いというお得な会議です。
アブストラクト投稿締切は9月18日(金)です。投稿は、研究会ウェブページから。
以下、紹介文。
ーーーーーーーーーーーーー
本研究会は、シリコンTFT関連をコアとして、酸化物半導体から有機半導体までを含む、薄膜半導体デバイス関連のテーマを一望できる貴重な研究会であり、毎年1回200名近い参加者を集めて研究集会を開催致しています。
研究会の詳細については、ホームページをご参照ください。
http://www.tfmd.jp/
研究集会のトピックは、半導体薄膜を用いるデバイス全てです。
有機半導体デバイスの研究者にとっては、はるかに先行した歴史を持つポリシリコンやアモルファスシリコンの研究者、および、一部アプリケーションでライバルとなる酸化物半導体の研究者ともディスカッションができる点で貴重な機会かと思います。皆様のご投稿ご参加をお待ちしております。
記
薄膜材料デバイス研究会 第6回研究集会「如何に作り如何に測るか」
日程: 2009年11月2日(月)から11月3日(火)
場所: 龍谷大学大宮学舎 清和館(http://www.ryukoku.ac.jp/omiya.html)
主催:薄膜材料デバイス研究会組織委員会
協賛(予定を含む):応用物理学会、電子情報通信学会、日本真空協会、電気学会、日本物理学会、応用物理学会有機分子・バイオエレクトロニクス分科会、応用物理学会プラズマエレクトロニクス分科会、AM-FPD、IDW
※研究会ホームぺージに投稿の案内があります。
※最大4ページまで掲載されますので、研究をひとまとめするのに適しているかと思います。
参加費(事前申し込み):一般10,000円、学生4,000円(バンケット代込)
ランプセッション特別講演 2日夜
水野博之先生
(広島県産業科学技術研究所所長、大阪電気通信大学副理事長)
「イノベーションと若き技術者たち」
招待講演・レビュー講演(敬称略)
石原良一(デルフト工科大学)
染谷隆夫(東京大学)
チュートリアルプログラム(敬称略) 2日午前
薄膜デバイスの基礎、作製技術、評価技術
木村 睦(龍谷大学)「TFTの基礎:テキスト『薄膜トランジスタ』より」
鮫島俊之(東京農工大学)「フリーキャリア吸収による半導体薄膜評価」
今年は過去最大の発表件数となり、興味深い講演も数多くあります。
また、チュートリアルでは、「初心に返る」を目標に、この分野のニューカマーの人からベテランまで満足できる内容を用意しています。
研究室の学生の皆さんで発表を予定していない人も、是非参加して下さい。
テキスト「薄膜トランジスタ」の割引販売もあります。
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毎年秋に開催されている薄膜材料デバイス研究会の研究集会(詳細は下記)ですが、今年は11月2日、3日に京都で開催されます。
今回、中村が実行委員長を務めます。当研究室の学生の皆さんも、どんどん投稿して下さい。
特に学生の人たちにとっては、日頃聞けない話が聞ける勉強になる会議であるとともに、バンケット等で出される飲食費より支払う参加費のほうが安いというお得な会議です。
アブストラクト投稿締切は9月18日(金)です。投稿は、研究会ウェブページから。
以下、紹介文。
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本研究会は、シリコンTFT関連をコアとして、酸化物半導体から有機半導体までを含む、薄膜半導体デバイス関連のテーマを一望できる貴重な研究会であり、毎年1回200名近い参加者を集めて研究集会を開催致しています。
研究会の詳細については、ホームページをご参照ください。
http://www.tfmd.jp/
研究集会のトピックは、半導体薄膜を用いるデバイス全てです。
有機半導体デバイスの研究者にとっては、はるかに先行した歴史を持つポリシリコンやアモルファスシリコンの研究者、および、一部アプリケーションでライバルとなる酸化物半導体の研究者ともディスカッションができる点で貴重な機会かと思います。皆様のご投稿ご参加をお待ちしております。
記
薄膜材料デバイス研究会 第6回研究集会「如何に作り如何に測るか」
日程: 2009年11月2日(月)から11月3日(火)
場所: 龍谷大学大宮学舎 清和館(http://www.ryukoku.ac.jp/omiya.html)
主催:薄膜材料デバイス研究会組織委員会
協賛(予定を含む):応用物理学会、電子情報通信学会、日本真空協会、電気学会、日本物理学会、応用物理学会有機分子・バイオエレクトロニクス分科会、応用物理学会プラズマエレクトロニクス分科会、AM-FPD、IDW
※研究会ホームぺージに投稿の案内があります。
※最大4ページまで掲載されますので、研究をひとまとめするのに適しているかと思います。
参加費(事前申し込み):一般10,000円、学生4,000円(バンケット代込)
ランプセッション特別講演 2日夜
水野博之先生
(広島県産業科学技術研究所所長、大阪電気通信大学副理事長)
「イノベーションと若き技術者たち」
招待講演・レビュー講演(敬称略)
石原良一(デルフト工科大学)
染谷隆夫(東京大学)
チュートリアルプログラム(敬称略) 2日午前
薄膜デバイスの基礎、作製技術、評価技術
木村 睦(龍谷大学)「TFTの基礎:テキスト『薄膜トランジスタ』より」
鮫島俊之(東京農工大学)「フリーキャリア吸収による半導体薄膜評価」
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